研究課題/領域番号 |
06557050
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
滝川 雅浩 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80115873)
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研究分担者 |
辻本 雅文 サントリー生物医学研究所, 創薬第一研究所, 主席研究員
河野 通明 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (00027335)
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キーワード | 腫瘍壊死因子 / 神経成長因子 / 線維芽細胞 / サイトカイン / シグナル伝達 / MAPキナーゼ |
研究概要 |
腫瘍壊死因子(TNF)による神経成長因子(NGF)産生促進機構に関して主にin vitroの系における解析をおこなった。 1.(1)Swiss3T3細胞にはTNFに対するtype1受容体(TNFR1)が約1000分子、type2受容体(TNFR2)が約300分子発現している (2)抗TNFR1抗体はNGF産生促進能を有するが、抗TNFR2抗体にはその活性がない (3)抗TNFR1抗体は細胞増殖促進能をもつこと などが明らかとなり、TNFの線維芽細胞におけるNGF産生促進作用はp55受容体(TNFR1)を介して誘起されることが解明された。一方、受容体以降の細胞内シグナル伝達系は互いに異なっており、TNFの細胞増殖作用はMAPキナーゼの活性化を含むシグナル系に依存しているが、NGF遺伝子発現の促進はMAPキナーゼ系の活性化に依存しない未同定のシグナル系を介して誘導されることが明らかになった。 2.TNFの線維芽細胞に対するNGF産生促進作用は、TNFと同様にマクロファージによって産生、分泌されるインターロイキン-1(IL-1)、およびインターフェロン-γ(INF-γ)の共存により亢進されることを見いだした。
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