研究課題/領域番号 |
06557051
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
竹内 利行 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (00109977)
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研究分担者 |
誉田 芳孝 群馬大学, 生体調節研究所・遺伝子調節部門, 講師 (90261867)
河津 捷二 群馬大学, 医学部, 助教授 (30134547)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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キーワード | インスリン / PEPCK / 糖尿病治療 / アデノウイルスベクター |
研究概要 |
我々は肝細胞など非内分泌系細胞に広く存在する蛋白分解酵素Furinで正しくプロセシングをうける変異インスリンcDNAを作成し、このcDNAを発現させてインスリン産生の調節を試みた。我々はインスリンで発現が抑制されるPhosphoenolpyruvate carboxykinase(PEPCK)のプロモーターを1〜6個チミジンキナーゼやβアクチンの基本プロモーターの前に配置したDNAを作成し、インスリン刺激伝達が伝わるラット肝由来の培養細胞H4IIEに導入・発現させた。作成した6つのDNAの中で3つのPEPCKプロモーターをTKプロモーターの前に配置したものがcAMP刺激に応じたインスリン分泌の増加を示した。このDNAを導入した細胞をcAMP、デキサメサゾン、レチノイン酸で刺激すると用量依存的にインスリンを産生分泌した。インスリン産生はメディウム中に投与した0.1nM程度のインスリンによって細胞内インスリンmRNA発現が抑制された。次に初代培養肝細胞を用いて効率のよいDNA導入をアデノウイルスベクターで行なうため、TK又はβアクチンプロモーターの前にPEPCKプロモーターを3つ配置したインスリン発現アデノウイルスベクターを作成した。初代培養肝細胞にこのベクターを感染させると、グルカゴン、cAMP、デキサメサゾン、レチノイン酸によるインスリン産生増加が観察された。次にこのアデノウイルス発現系を用いて、ストレプトゾトシン(STZ)糖尿病モデルラットを作成し、治療実験を行なった。STZ(100mg/kg)投与後血中インスリン値は<0.5ng/mlとなった。血中インスリン値はインスリン発現アデノウイルスベクター投与数日後に上昇し始め、10日目頃に最高値2〜3ng/mlを示し、約1ヶ月で<0.5ng/mlになった。STZ投与ラットの血糖値は>500mg/dlであったがインスリン上昇に応じて血中グルコースレベルは300〜400mglmlとなった。まだ正常値には至らないのがこのベクターによりわずかながら糖尿病状態の改善が得られた。
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