1.平滑筋細胞由来成長因子(SDGF)の免疫学的性質:SDGFは家兎大動脈平滑筋細胞に無血清下で分泌させて採取した。このDNA合成活性に対し、種々の既存の成長因子に対する抗体の効果をみると塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)に対する抗体のみが抑制した。しかし、SDDFはbFGFと物理化学的に異なっていた。SDGFを同じ抗体でウェスターンブロット解析したところ、32kDのサイズのバンドが見られた。これは還元処理して行っているので、SDGFの分子量を示すものと思われる。bFGFの分子量は17-18kDであった。結論的に両者は免疫学的には交差するが、蛋白としては別のものと思われる。2.SDGFのクローニング:クローニングの戦略として、SDGFを精製してアミノ酸の部分配列を決定し、そこからcDNAを作成してプローブとする方法は、十分量のSDGFを得るために極めて大量のメディウムを必要とするので、上記の情報を利用した。抗体そのものを用いてスクリーニングする方法は感度が十分ではなかった。そこで既に報告されているFGFスーパーファミリーの共通部分の多い配列を選択し、その両端のDNAプライマーを作成した。SDGFを分泌している家兎平滑筋細胞よりRNAを抽出し、cDNAライブラリーを作成した。プライマーを用いてPCR法で目的とするおよそ300bpのDNA断片を得た。現在完全に目的とする非FGFDNA断片を得るべく検討中であり、確定すれば全長のcDNAをクローニングする予定である。3.SDGFの制御剤:内因性(種々のサイトカイン)、外因性の薬剤(種々のカルシウム拮抗剤、HMG-CoA還元酵素阻害剤)のSDGF活性に対する影響を検討したところ、Effonidipinが最も強力な抑制剤であることが明かとなった。10^6Mで65%の抑制率(これはバックグラウンドの活性を考慮に入れると100%の抑制率)を示した。
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