研究課題/領域番号 |
06557055
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松本 俊夫 東京大学, 医学部(分), 講師 (20157374)
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研究分担者 |
高橋 和展 三菱化学, 応用生物研究所, 研究員
竹内 靖博 東京大学, 医学部・附属病院(分), 助手 (50202164)
福本 誠二 東京大学, 医学部・附属病院(分), 助手 (30202287)
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キーワード | デコリン / TGF-β / 骨芽細胞 / TGF-β受容体 / デコリン受容体 / ビスフォスフォネート |
研究概要 |
骨基質中デコリンはTGF-βに高い親和性をもって結合し、TGF-βのデコリンとの結合によりTGF-β受容体との結合能が高まる結果その作用が増強されることを既に見出した。これらの成績から、デコリンはTGF-βの骨基質における結合蛋白として、またその作用の調節因子として骨形成の維持に重要な役割を演じている可能性が示された。老人性骨粗鬆症では、加齢によるTGF-βなどの成長因子作用の低下が骨形成の抑制に深く関与する可能性が考えられている。そこで、TGF-β作用の調節因子としてのデコリンの役割、およびそのTGF-β作用の促進機序を更に解明すると共に、recombinantデコリンを作成し、その骨への選択的投与法を確立することにより老人性骨粗鬆症の予防・治療への応用を試みた。 1.デコリンによるTGF-β作用の調節機構の解明:デコリンによるTGF-β作用の調節機構を解明する一環として、デコリンがTGF-βの受容体との結合能を促進する機序について更に検討を加えた。骨芽細胞系細胞の中には、細胞表面にデコリンの特異的受容体を有する細胞が存在し、これらの細胞ではデコリンの受容体との結合を介してデコリンと結合したTGF-βのTGF-β受容体への提示が促進されるものと考えられる。デコリン受容体は、デコリンの細胞内への取り込みと代謝に関与し、活性型ビタミンDにより増加することも明らかとなった。今後そのTGF-β作用の発現に及ぼす影響について更に検討を進める必要がある。 2.Recombinantデコリン及びビスフォスフォネート複合体の作成:ヒトデコリンcDNAをCHO細胞にtransfecしrecombinantデコリンの調製を進めてきた。しかし技術的な問題から十分量のデコリンが得られず、ビスフォスフォネートとデコリンとの複合体の合成には未だ至っていない。
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