研究課題
試験研究(B)
ミトコンドリア遺伝子異常の検索には、塩基配列特異的オリゴヌクレオチド(SSO)を用いたドットハイブリダイゼイションが、条件をうまく設定すれば、感度と簡便性の点で優れていることがあきらかとなった。具体的には、まず目的の変異を含んだ配列からなる19ベース程度のオリゴヌクレオチド(SSO)を合成し標識する。ミトコンドリア遺伝子の検索する部位を含んだDNA断片を患者DNAからPCRにて増幅し、これを一本鎖に変性させてナイロン膜にスポットし、標識したSSOをプローブとしてハイブリダイゼイションを行う。これにより、3243位の変位においては、糖尿病の患者のサンプルで、従来の方法では見出せなかったheteroplasmyの割合の低い患者からも変異を検出することができた。さらにこの方法を用いてロイシンtRNAの領域をスクリーニグした。300人の糖尿病患者では、3251位、3256位、3271位など、従来ミトコンドリア脳筋症で認められている部位の変異は認められなかったものの、2人に3290位の変異を認め、さらに検索したところ、850人中4人にこの変異を認めた。また、インスリン分泌障害をきたしうる新たな候補遺伝子としてグルコキナーゼ活性調節蛋白をクローニングし、マウスインスリノーマ由来細胞株MIN6に発現させることに成功した。さらに、グリセロールシャトルのkey enzymeのFAD-PHのcDNAのクローニングも行い、MIN6に発現させてグルコース刺激によるインスリン分泌を検討した。
すべて その他
すべて 文献書誌 (6件)