研究課題/領域番号 |
06557056
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
岡 芳知 山口大学, 医学部, 教授 (70175256)
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研究分担者 |
竹内 康雄 山口大学, 医学部・附属病院, 医員
竹内 秀夫 山口大学, 医学部・附属病院, 医員
植田 浩平 山口大学, 医学部・附属病院, 医員
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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キーワード | ミトコンドリア遺伝子 / インスリン分泌 / グリセロールリン酸シャトル / Kチャネル / dot blot hybridization |
研究概要 |
ミトコンドリア遺伝子3243位変異による糖尿病について、その頻度、進行性のインスリン分泌低下を特徴とする臨床像、自己抗体とHLA、難聴、心筋症、インスリン浮腫、神経障害、筋症状と特異的治療法の可能性など、その特異像を明らかにした。さらに、ミトコンドリア遺伝子異常の簡易検出法として、変異特異的プローブを用いたドットブロット法を開発し、この方法を用いてミトコンドリア遺伝子tRNALeu(UUR)領域の異常を糖尿病患者において検討し、440人の母系遺伝糖尿病患者のなかに3243位変異を7人、3271位変異を1人見出した。また、ミトコンドリア遺伝子とインスリン分泌の関わりを検討するために、ミトコンドリア遺伝子と欠如したインスリン分泌細胞を作製し、グルコースによるインスリン分泌が消失すること、遺伝子を再導入することによりその分泌能が回復することを明らかにした。 もうひとつの大きな成果はインスリン分泌に関わる遺伝子のクローニングと患者での解析である。膵β細胞のKチャネルのひとつGIRK2をクローニングし、糖尿病患者での解析を進めた。また、ミトコンドリア・グリセロールリン酸シャトルの律速酵素のクローニングを行い、ヒト遺伝子でのエクソン・イントロン構造を明らかにし、糖尿病患者での解析ならびにその変異の機能解析を行った。以上の結果、これらの遺伝子がわが国の糖尿病の主要な発症遺伝子ではないことが示された。さらに、インスリン分泌機構に関わりうる遺伝子mSEC1のクローニングやインスリン分泌機構の解析を分子生物学的手法を用いて行った。また、糖尿病でのもうひとつの重要な側面である肝糖代謝について、将来の遺伝子治療も視野にいれた糖代謝酵素の導入研究、肥満との関わりが推測されているβアデレノ受容体遺伝子の解析も進めた。
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