研究課題/領域番号 |
06557058
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
河田 純男 大阪大学, 医学部, 助教授 (90183285)
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研究分担者 |
中野 洋文 協和発酵(株), 東京研究所, 管理室長
田村 信司 大阪大学, 医学部, 助手 (30243223)
山下 静也 大阪大学, 医学部, 助手 (60243242)
竹村 芳 大阪大学, 医学部, 講師 (00161240)
松沢 佑次 大阪大学, 医学部, 教授 (70116101)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 動脈硬化 / 動脈平滑筋細胞 / Ras p21 / ファルネシルトランスフェラーゼ / manumycin |
研究概要 |
動脈硬化症の予防および治療として、多くの薬剤が用いられているが臨床におけるこれらの効果は満足すべきものではなく、新しい発想に立った薬物療法の開発が強く求められている。 動脈硬化巣の形成・進展には動脈平滑筋細胞の動脈内膜への遊走および増殖が重要な役割を担っている。この平滑筋細胞の遊走・増殖には多くの増殖因子が係わっているが、これらの因子からの増殖シグナル伝達において、Ras p21は重要な役割を担っている。 このRas p21を分子標的として、増殖シグナルを抑制し、動脈平滑筋細胞の遊走・増殖を阻害することにより、動脈硬化の新しい薬物療法を開発することを目的とした。 Ras p21の機能発現に必須であるファルネシル化を阻害するファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(manumycin)を用いて、培養平滑筋細胞の遊走および増殖を著明に抑制した。また、ラット頚動脈バルーンを傷害モデルにmanumycinを投与し、有意に動脈内膜の肥厚を抑制することを見い出した。 したがって、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤により、Ras p21の機能発現を抑制し、増殖因子からの細胞内シグナル伝達を遮断することによって、動脈平滑筋細胞の遊走・増殖を阻害することは動脈硬化に対する新しい薬物療法の開発につながる。
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