研究概要 |
慢性骨髄性白血病(CML)に対する自家骨髄移植(ABMT)の有効性を高めるため、自家骨髄から単クローン抗体・抗腫瘍剤・培養法さらに最近はantisence bcr‐ablによる腫瘍細胞の除去が試みられている。我々のこれまでの研究でヒト白血病前駆細胞が正常顆粒球/単球前駆細胞と比較して温熱に感受性が高く、さらにインターフェロンαの併用により、より特異的に安全に、残存白血病細胞を排除できることを示してきた。この方法は既に臨床例の自家移植にに試みられている。この方法をさらに効率よく進めるため、他の薬剤(AZT,IFNα,TNF,quercetin)を併用した温熱処理によるCML骨髄からのPh染色体排除と自家骨髄移植について検討した。その結果ではIFNα(100U/ml)AZT(0.5mM)或いはquercetin(50mM)を併用した42℃1時間の温熱処理がCML細胞を排除する最適条件で、CML細胞のapoptosisを促進した。 また、CML骨髄を長期培養することによりPhクローンが減少するかについて、さらに、この効果がIFNの添加により増強されるかにつき、長期培養後に個々の造血前駆細胞の遺伝子解析を、single colony RT‐PCR法により検討した。IFN添加長期培養の付着細胞画分にCFU‐mixを含む多能性前駆細胞が比較的多く残存し、PCR法によりbcr‐abl陰性前駆細胞が検出された。細胞の減少が著しく自家移植への応用のためには更に効率の良い方法の開発が必要である。
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