研究課題/領域番号 |
06557066
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
桑原 慶紀 順天堂大学, 医学部, 教授 (20010324)
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研究分担者 |
桑名 克之 泉工医科工業, 開発部, 課長代理
中村 靖 順天堂大学, 医学部, 助手 (70207926)
吉田 幸洋 順天堂大学, 医学部, 講師 (90166950)
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キーワード | 人工胎盤 / 胎児子宮外保育 / 実験周産期医学 / 体外循環 / 模型人工肺 |
研究概要 |
新生児期では救命できない未熟児・病児を子宮内に近似した環境で保育・治療しうる胎児子宮外保育装置の開発を目的として研究を行った。研究にはヤギ胎仔を用い、長期間、本装置にて保育後、装置より離脱させ新生仔として保育することとした。 本年度は最終年度として、胎齢125日〜130日のほぼ成熟した胎仔に加え、胎齢90日〜100日の未熟山羊を対象に人工羊水中胎仔の長期間保育を行い、子宮外保育装置からの離脱を試みた。また、ヒト胎児への臨床応用の可能性についても検討を加えた。 本装置によれば、ほぼ成熟したヤギ胎仔のみならず未熟胎仔でも、長期間の子宮外保育が可能であったが、現在のシステムで長期間の子宮外保育を行う場合には、循環動態の安定化のため、minor tranquilizerと筋弛緩剤投与による保育中の胎仔行動抑制と飲水制限は必須であることが判明した。その結果、保育により胎齢は進行しても筋力発達障害の問題がみられ、装置から離脱させた後は人工換気が必要であった。したがって、ヒト胎児への応用のためには、ヒトの臍帯静脈が1本であることに伴う導入の問題以外に、この点がクリアされなければならない大きな問題点と考えられた。 さらに本年度は、本装置で保育中のヤギ胎仔に、高二酸化炭素負荷あるいは、薬剤(副腎皮質ステロイド)負荷実験を行い、実験モデルとしての有用性も明らかとなった。
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