研究課題/領域番号 |
06557070
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中島 淳 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90188954)
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研究分担者 |
小野 稔 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (40270871)
竹田 誠 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10236482)
川内 基裕 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (00152918)
古瀬 彰 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (70010163)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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キーワード | 気管支肺胞洗浄液 / MHCクラスI抗原 / lymphoblastoid細胞 / 肺移植 / 急性拒絶反応 / 早期診断 / 細胞障害活性 / interluekin-10 |
研究概要 |
本研究は臨床心・肺移植が直面している術後急性拒絶反応に対する制御を目的とした新しい診断法を開発することを目的とした。臨床肺移植において、レシピエントの気管支肺胞洗浄液中のリンパ球がドナーの不一致なHLAクラスI抗原に対して特異的な細胞障害活性が急性拒絶反応の早期(病理grade Al)から上昇することを明らかにした。また、サイトメガロウイルス・その他の感染では特異的細胞障害活性は上昇しないことを明らかとした。本活性の計測において、標的細胞としてドナー由来細胞を用いる代わりに、不一致なクラスI抗原を有するlymphoblastoid細胞株を用いることが可能であることを明らかにした。この細胞は培養・維持が容易であるため、本法は急性拒絶反応の早期・特異的診断に有効であり普及が見込まれる。 次いで肺実質細胞が同種抗原提示細胞になる可能性について検討した。不死化した気道上皮細胞株BEAS-2Bとリンパ球の混合培養をモデルとして検討したが、気道上皮細胞株はリンパ球の細胞障害活性をむしろ阻害することを明らかとした。さらに、気道上皮細胞刺激でリンパ球からinterleukin-10が分泌されることを明らかとし、気道上皮細胞がリンパ球に対してTh2分画優位の細胞増殖を引き起こすシグナルを与えることを明らかとした。このシグナルはMHCクラスI/II抗原ならびに接着分子のLFA-3に関連していることを明かとした。この気道上皮細胞刺激は、IL-2の存在下では逆に同種リンパ球のMHCクラスI抗原特異的な細胞障害活性を引き起こすことをT細胞クローン生成することで証明した。即ち炎症などでサイトカインの存在する条件では気道上皮細胞も抗原提示細胞となりうることを明らかとした。
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