研究課題/領域番号 |
06557079
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
渋谷 正人 名古屋大学, 医学部, 助教授 (10135345)
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研究分担者 |
高安 正和 名古屋大学, 医学部, 助手 (60216794)
鈴木 善男 名古屋大学, 医学部, 助手 (80171271)
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キーワード | リニアック / 集束照射療法 / 定位脳手術 / 脳腫瘍 / 脳動静脈奇形 |
研究概要 |
我々の研究目的は、定位脳手術装置によるリニアックの集束照射療法の研究開発である。開発に当たっては既存のライナック装置が基本的にはそのまま使用可能なこと、正確に目的部位の集束照射が可能なこと、患者の肉体的負担が少ないこと等を目標とした。本法は放射線を目的部位に大量に集束照射する治療であるため、脳の深部の病変を選択的に治療することが可能であるが、正確さが絶対条件である。最近、他施設においてニリアックによる患者頭部の矢状面照射で、ベッドを水平方向に動かすことによりmulti-arcの照射を行う装置が開発されている。この方法では、ベッドを正確に動かす機械精度と広いスペースが必要となる。我々の照射方法は、冠状面照射であり、患者の頭部を前後屈させるとにより、ニリアックの照射面を変えることなくmulti-arcの照射が可能であり、ベッドも上下方向の動きのみでよい。研究開発は以下の4点について行った。ニリアック装置が故障し更新しなければならなかったため、開発は遅れを余儀なくされた。 1)ニリアック:本体はDigital Mevatron KD-2-50、パソコンはPower Mac9500/120を使用。リニアックの回転中心のズレが0.4mm以下の精度であることを確認した。10,20mmのコリメーターを用いRadiosurgery用照射線量測定を近日行う予定である。 2)定位脳頭部固定枠:MRI対応杉田式定位脳手術装置SBD-04-Mを基本に幾つかの改良を行い、新たなものを開発した。フレーム厚は12から16mmにして強化した。マーカーを頭部に固定した状態でMR撮影ができるように頭部固定ピンを40から100mmと延長した。また、Localizerの改良をおこなった。 3)頭部支持台:定位脳頭部固定枠を固定するための支持台を新たに開発した。強度を強化するため支持台の足は2本とし、この2本は同期して上下するようにした。 Radiosurgery用照射線量分布計算ソフト:Radiosurgery用照射線量測定の結果より、照射計画の作成が行えるような照射線量分布計算ソフトの開発を行う。 今後、動物実験に続き、臨床応用と研究を進める予定である。
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