研究課題/領域番号 |
06557083
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
琴浦 良彦 京都大学, 医学部, 助教授 (50127081)
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研究分担者 |
岡 正典 京都大学, 生体医療工学研究センター, 助教授 (20088537)
平岡 真寛 京都大学, 医学部, 助教授 (70173218)
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キーワード | ハイパーサーミア / 実験的転移性骨腫瘍 / 髄内釘 |
研究概要 |
A)髄内釘による脛骨加温実験 1)3.0mmK-wireによる加温実験と同様に、兎脛骨に長さ10cm、2.4mmK-wire(髄内釘)を挿入し交流磁場発生装置内に置いた場合の脛骨骨髄内の温度分布を調べた。コイル開口部側より7cmの部位で55-60℃に達することがわかった。この際、脛骨内側骨皮質表面はコイル開口部側より5-8cmの部位で42・44℃に達した。ただし、交流磁場発生装置の出力を20-25%上昇させる必要があった。コイル開口部側より7cmの部位で脛骨内側骨皮質の表面温度を43℃に保てば、5-8cmの部位で脛骨内に存在するものは43℃以上に加温出来ることがわかった。この温度分布は3.0mmK-wireによる場合よりも良好であることがわかった。 2)コイル開口部側より7cmの部位で脛骨内側骨皮質の表面温度を43℃に保った場合、同部位での脛骨周囲軟部組織の温度分布を調べた。内側皮膚温は39-40°と安全な温度であった(室温は23-35℃)。外側に前脛骨筋に脛骨に対し垂直方向に温度計プローブを刺入し測温した結果脛骨表面で40°、筋内では10mmあたり5-10°の減衰があり、軟部組織の過加温はないと考えられた。 B)VX2による実験的骨腫瘍の作製 脛骨骨髄内の脛骨平原より6cmの部位で脛骨骨髄内に2mmx1.5mmのブロツク状VX2腫瘍を移植し、自然経過を観察した。移植方法は、脛骨近位部より髄内をリ-ミングし3.0mmステンレスパイプを挿入し、ブロック状の腫瘍を押し込む方法をとった。移植後一週間で腫瘍は長さ約2cmに成長し髄腔を占拠していたが、レ線上は溶骨像は認められなかった。移植後十日で腫瘍は長さ約4-6cmに成長し髄腔を占拠しており、レ線上、溶骨像が認められた。また、骨外に浸潤することはなかった。移植後二週で腫瘍は完全に髄腔を占拠しており、一部は骨皮質外に浸潤する場合があった。レ線上、溶骨像と共に軽度の骨形成像が認められた。移植後三週で腫瘍は完全に髄腔を占拠しており、骨皮質外に浸潤していた。レ線上、著名な溶骨像と共に骨形成像が認められた。移植後四週で腫瘍は骨皮質外に腫瘤を形成、一部は筋肉内に浸潤していた。レ線上、著名な溶骨像と共に骨形成像が認められた。これらの腫瘤がVX2腫瘍であることを組織学的に確認した。
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