研究課題/領域番号 |
06557088
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
野澤 史朗 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (90051557)
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研究分担者 |
杉原 圭亮 持田製薬株式会社, バイオサイエンス研究所, 試薬マネージャー
青木 大輔 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (30167788)
塚崎 克己 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (40118972)
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キーワード | 子宮体癌 / モノクローナル抗体MSN-1 / 酵素免疫測定法 |
研究概要 |
我々は、抗子宮体癌モノクローナル抗体MSN-1を用いて、内膜細胞のMSN-1認識抗原量を酵素免疫測定法により測定し、正常内膜細胞と体癌細胞におけるMSN-1認識抗原量の量的差異から両細胞を鑑別する体癌の新しい診断法EmC-EIA法を開発し、臨床検体を用いた検索にてその有用性を明らかにしてきた。しかしながらEmC-EIA法の従来の測定系(Binding法)では、検体を水酸化ナトリウムで可溶化する為、処理検体が変性しやすく長期保存が不可能であり、しかも検体をプレート上に固相化する操作が繁雑であるなどの問題点が検索を重ねるうちに明らかになってきた。そこで我々は、Binding法の問題点を改良した新しいEmC-EIA法の測定系(Sandwich法)の開発を試みた。Sandwich法は、内膜細胞診施行後の検体採取器具に付着した残存細胞を界面活性剤にて可溶化し、この可溶化検体をMSN-1を付着させたプレート上に添加させ、次いで酵素標識したMSN-1を加えるSandwich酵素免疫測定法にて検体中のMSN-1認識抗原量を測定する方法である。Sandwich法は界面活性剤にて検体を可溶化するため検体の長期保存が可能であり、しかも測定がSandwich EIAによるため簡便であることから、Binding法に比べよりキット化に適した測定系である。しかも臨床検体(正常内膜53例、子宮体癌28例)を用いた検索にして、陽性率が正常内膜で3.8%、体癌で64.3%と、両者間で明らかな差が認められたことから、EmC-EIA(Sandwich法)は子宮体癌補助診断法として、体癌のスクリーニングに適した方法であることが強く示唆された。
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