研究課題/領域番号 |
06557092
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
小児外科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
千葉 敏雄 東北大学, 医学部・付属病院, 講師 (20171944)
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研究分担者 |
白根 礼造 東北大学, 医学部・付属病院, 講師 (30206297)
本郷 道夫 東北大学, 医学部・付属病院, 教授 (60133948)
半田 康延 東北大学, 医学部, 教授 (00111790)
大井 龍司 東北大学, 医学部, 教授 (50004734)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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キーワード | 胃結腸反射 / 歪ゲージ / 結腸運動ペーシング / 人工神経節システム / FES |
研究概要 |
本研究に於て我々は、まず実験犬を用い、結腸運動の適切な測定法の選択、および結腸運動のうち、自然排便に直接関連する運動パターンを特定することより開始した。そこでまず、腸管の機械的運動を電気信号としてcatchするために、腸管壁への歪みゲージ縫着方式を採用した。結腸運動刺激法としては、無麻酔無拘束犬に対する強制的給餌による胃結腸反射の誘発、ないし薬物(コリンエステル誘導体)投与の二つの方法が当初採られ、また歪みゲージは結腸全走行に沿って縫着されていた。しかし、生理的に自然な排便は、薬物ではなく胃結腸反射により生じること、また、生理的排便時には下行結腸に最も強く収縮運動がみられること等から、実験方式としては、下行結腸に逢着した複数の歪みゲージによる胃結腸反射、ないしその自然排便を検討することを中心とした。ここで使用した歪みゲージは、生体適合性の高い(高分子ポリマー)シリコーンを用いてはいるが、生体の異物反応に起因する線維性被膜のために、その耐用期間はそれほど長いものではない点が、今後とも重要な問題といえる。一方、給餌実験のみでは、常に安定した自然排便はみられないため、その後は結腸運動の人為的誘発を目標とした結腸の電気的ペーシングへと研究を展開した。この結果、1.漿膜側よりも、粘膜側での刺激がより有効であり、2.下部結腸での一点粘膜刺激(バイポーラー式)では、電圧10ボルト、パルス幅20msec,刺激頻度30bpm(beats per minute)付近で、リング状の遠位結腸収縮波の見られることが判明した。以上により、自然排便をきたす犬の実験モデル、およびその排便シグナル(下行結腸強収縮運動)の歪ゲージによるdetectionシステムはほぼ出きあがったものといえる。この腸管運動センシング開発により、当初の目的である人口神経節システムは、いまだ不完全な点であるとはいえ、きわめて現実的なものとなった。
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