研究課題/領域番号 |
06557096
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
中村 嘉男 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (10010026)
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研究分担者 |
高西 淳夫 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (50179462)
相馬 邦道 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (10014200)
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キーワード | 咀嚼 / ロボット / 顎運動 / 脳幹-脊髄標本 / 下顎-下歯槽神経標本 / アクチュエータ / 運動軌跡 / 感覚遮断 |
研究概要 |
本年度は、ヒトの自発性顎運動および咀嚼時の顎運動をシミュレートする咀嚼ロボットの製作に関連して、(1)顎運動の司令形成の中枢ならびに末梢性機構の生理学的解析、(2)咀嚼時のヒトの顎筋の粘弾性と同一の動特性を有するアクチュエータの製作、(3)ヒトの正常ならびに口腔感覚遮断時の顎運動の軌跡および筋電図記録、を行った。 摂食運動のリズム形成の中枢神経機構の解析のために、ラット新生仔の遊離脳幹-脊髄標本を用いて吸啜リズムを誘発する手法の開発に成功した。また、ラットで下歯槽神経を付けた下顎遊離標本を作成して、咀嚼運動パタンの調節に重要な役割を演ずる歯根膜機械受容器の刺激応答特性の定量的解析を行い、多歯支配の受容野は1本の感覚神経線維が2本以上の歯の歯根膜に枝分かれした末梢終末を送っていることによることを見いだした。 また、前年度の研究によって作成したロボットのアクチュエータをヒトの顎筋をシミュレートして製作することを試み、食物破砕時に生ずる下顎の急激な運動の抑制と食物の硬さ特性に適応した噛み締めを実現できるアクチュエータの製作に成功した。 さらに、ヒトの咀嚼時の顎運動のパタンの調節に関する末梢性入力の役割を解析する目的で、麻酔により口腔領域からの感覚入力遮断の効果を検索し、平均最大開口距離の減少および顎二腹筋活動の平均持続時間が短縮することを見いだした。また、犬歯歯根膜に加わる力の方向によって側頭筋前部の運動単位の応答が相違することを明かにした。
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