研究課題/領域番号 |
06557101
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
渡辺 久 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (40143606)
|
研究分担者 |
杉山 栄一 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (20242208)
萩原 さつき 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (70134715)
|
キーワード | 非放射性DNAプローブ / 歯周病 / 診断 / 予後判定 / 臨床パラメーター / Porphyromonas gingivalis |
研究概要 |
成人性歯周炎患者および健常者の口腔内のすべての残存歯から歯肉縁下プラークサンプルを採取し、DNAプローブ法でP.gingivalisを検出した。さらに臨床パラメーターとしてサンプリング部位におけるプロービングデプス(PD)とプロービング時の出血(BOP)の有無(+、-)を記録し、P.gingvalisの検出率、検出量と臨床パラメーターとの関連について統計学的に検索した。その結果、P.gingivalisは患者全員および健常者群の半数から検出され、患者群における検出率の平均は31%であった。臨床パラメーターとの関連については、患者群においてPDが4,6mm以上あるいはBOP_+の部位では有意に高い率でP.gingivalisは検出され、逆にP.gingivalisがよく多く検出された部位では、PDが4、6mm以上あるいはBOP_+の部位の比率が増加する傾向が認められた。しかしながらその一方で臨床的には健常である部位からもP.gingvalisは検出され、またPDの深い、あるいはBOP_+でもP.gingivalisが検出されない部位も認められた。以上のことから、P.gingivalisは成人性歯周炎における歯周組織の破壊において重要な役割を果たしているが、P.gingivalisのみによって破壊が起こされているのではないことが示唆された。 P.gingivalisについては、さらにその分布と歯周疾患の臨床的な病態や、私共が従来から行っている免疫学的なデータとの関連性や、遺伝子レベルにおける多様性と病原性などについて検索することにより、歯周疾患において本菌の果たす役割についてより明確にしていく必要があると考えている。
|