研究概要 |
非放射性DNAプローブ法を用いた歯周病原性細菌検出キット(Affirm DP,Becton Dickinson社,USA)は、歯肉縁下プラーク中のPorphyromonas gingivalis,Bacteroides forsythus,Actinobacillus acinomycetemcomitansの直接的検出を目的とした簡易DNAプローブキットである。本研究では歯周疾患の診断、治療効果の判定においてAffirm DPが実用的に用いられるか否かを調べることを目的とし、3種類の細菌の検出に関して細菌培養法と比較し、その検出感度、特異度について検討した。 DNAプローブキットによる細菌検出を培養法による検出と比較すると以下のような結果が得られた。P.gingivalisの検出における10^4 cut-off値では感度は76.8%、特異度88.7%、一致度0.661であった。B.forsythusの検出においては感度88.7%、特異度68.3%、一致度0.480であった。A.acinomycetemcomitansについてはAfiirm DP、培養法とも検出数が少なく低い感度であった。Affirm DPの発色を0から3の4段階で評価し、その発色度と細菌培養法において得られた細菌数との相関について検討を行ったが、P.gingivalis、B.forsythusにおいて有意な相関が認められた。 DNAプローブを用いいた歯周病原性細菌の検出キットは測定に要する時間がわずか40分であり、今後、迅速、簡便な細菌の検出が要求される臨床の場において有用であろう。
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