研究課題/領域番号 |
06557106
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
佐藤 温重 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (40045985)
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研究分担者 |
佐藤 和子 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (50046083)
日景 盛 北海道医療大学, 歯学部, 助教授 (20134710)
鎌滝 哲也 北海道大学, 薬学部, 教授 (00009177)
下河辺 宏功 北海道大学, 歯学部, 教授 (20014011)
長尾 正憲 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (60014213)
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キーワード | 動物実験代替 / 生体適合性試験指標 / 顎骨骨芽細胞 / 口腔粘膜上皮モデル / 薬物代謝酵素cDNA導入細胞系 / ヒト好中球 / 代謝的活性化 / 歯科材料 |
研究概要 |
動物実験代替法として応用可能な口腔組織の臓器モデルの開発と生物学的評価の高度化となる生体適合性評価指標について研究を実施した。 I.臓器モデルの開発 1)顎骨骨芽細胞系:マウス顎骨よりALPase活性を有し、I型コラーゲン、オステオポンチンのmRNAを発現し、活性型ビタミンD_3、エストロゲンに応答する細胞系が得られた。2)口腔上皮培養系:ヒト正常歯肉由来角化細胞および線維芽細胞から粘膜固有層および上皮層を有するヒト口腔粘膜モデルこ再構築する方法を開発した。粘膜モデルは10日間培養により錯角化した正常歯肉と同様の分化形態を示した。3)ヒト薬物代謝酵素遺伝子導入細胞系:ヒト成人型CYP3A4およびヒト胎児型CYP3A7のcDNAをCHL細胞に導入して酵素を安定的に高発現する細胞株を樹立した。これらの細胞株はアフラトキシンB_1に対して高い感受性を示し、代謝的活性化能を持つことが明らかとなった。 II.生体適合性試験指標の開発 1)口腔粘膜上皮モデルを用いた毒性試験:上記Iで開発されたヒト口腔粘膜モデルを用い、市販の床用材料他を接触させ組織変化及びMTT法による毒性評価を行った。歯科材料の粘膜刺激作用が組織学的に検出可能であった。2)ヒト好中球を用いた試験:ヒト好中球のO_2^-、PGE_2産生能を指標としてモノマー(BisGMA、UDMA、TEGDMA他)の毒性を調べた。モノマーはヒト好中球の細胞生存率、LDH漏出量には影響を与えない濃度でこれらの産生を減少させた。3)薬物代謝酵素存在下での細胞毒性試験:JTC-12細胞培養系に対し、薬物代謝酵素S9-mixを投与するとBisGMA、UDMA、TEGDMA、HEMAの毒性は低下したが、4META、MMAの毒性は変化しなかった。 以上のごとく、本年度の研究目標を達成した。
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