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1995 年度 実績報告書

高浸潤・転移型癌細胞の産生するAMF及びそのレセプターの機能解析と診断への応用

研究課題

研究課題/領域番号 06557108
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

天笠 光雄  東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (00014332)

研究分担者 大井田 新一郎  東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (10114745)
キーワードAMF / 扁平上皮癌 / ボイデンチェンバー / ノーザンブロット分析 / RT-PCR / TNM / AMFR / 癌浸潤・転移
研究概要

自己分泌型遊走因子AMFは、悪性黒色腫をはじめ、線維肉腫や膀胱癌などの浸潤・転移能の高い癌細胞で産生されていることが報告されている。我々は、高浸潤・転移型扁平上皮癌細胞LMF4の培養上清がド-ズディペンデントに遊走能を誘導することをボイデンチェンバーにて確認した。この培養上清を、ゲル濾過カラム、DEAEカラムにて精製したところ、分子量55kD(還元時65kD)の癌細胞遊走活性糖蛋白(LMF4-AMF)が精製された。この分子量はすでに報告されているAMFの分子量に一致し、またLMF4-AMFは線維肉腫細胞の遊走をも誘導したことから、LMF4-AMFは報告されているAMFと同一のものであることが示唆された。
さらにLMF4細胞の遊走は、線維肉腫細胞由来のAMFによっても誘導されたことから、LMF4細胞は機能的なAMFレセプター(AMFR)を発現していることが示唆された。このAMFRの発現は、高浸潤・転移型扁平上皮癌細胞で高く、低浸潤・転移型扁平上皮癌細胞で低いことを、ノーザンブロッド分析ならびにRT-PCRによって確認した。そこで臨床材料においてRT-PCRを行い、原発巣ではAMFRの発現はTNM分類においてTよりもむしろNに相関して高く、また転移巣と原発巣を比較すると転移巣の細胞の方が高いことが明らかとなった。
以上の結果から、口腔領域の扁平上皮癌細胞もAMFを産生し、そのレセプターであるAMFRを介して、遊走能を発揮することが示唆された。しかもAMFRの発現は扁平上皮癌の転移に相関して高くなっていることから、AMFRは癌細胞の転移に深く関わっているものと推察された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 新中康史,天笠光雄: "基底膜浸潤とインテグリンα6β4" 日本口腔組織培養研究会雑誌. 4. 11-19 (1995)

  • [文献書誌] 新中康史: "基底膜の認識・接着に関与する扁平上皮癌細胞表面分子の研究" 日本口腔組織培養研究会雑誌. 4. 93-94 (1995)

  • [文献書誌] 三村将文: "口腔粘膜由来悪性黒色腫細胞株の放射線感受性に関する研究" 日本口腔組織培養研究会雑誌. 4. 113-114 (1995)

  • [文献書誌] Nankaze Uzawa: "Transfer of a Normal Chromosome 3 Suppresses Tumorignicity of Oral Squamons Cell Carcinoma Cell Lines" Oral Orcology. 4B. 265-268 (1995)

  • [文献書誌] 松浦正朗: "口腔癌患者におけるグランセトロンによるカルポプラチンの悪心嘔吐抑制効果について" 日本口腔腫瘍学会誌. 7. 159-167 (1995)

  • [文献書誌] Masao Saitoh: "Identification of important regions in the cytoplaimic ynxtamenbrane donain of typa 1 receptor that separate sigvaling pathmays of transforming growth factor-β" The Jourral of Biological Chemistry. 271. 2769-2775 (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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