研究課題/領域番号 |
06557113
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
中村 亮 徳島大学, 歯学部, 教授 (30034169)
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研究分担者 |
増田 かなめ 徳島大学, 歯学部, 助手 (30243710)
吉岡 昌美 徳島大学, 歯学部附属病院, 講師 (90243708)
林 祐行 徳島大学, 歯学部附属病院, 講師 (80243707)
日野出 大輔 徳島大学, 歯学部, 講師 (70189801)
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キーワード | 歯周病 / 迅速診断 / Porphyromonas gingivalis / トリプシン様酵素 / モノクロナール抗体 |
研究概要 |
プロテアーゼ(Pase-C)に対するモノクローナル抗体(mAb-PC)を用いて歯肉溝滲出液(GCF)中のPase-C量をELISA法によって測定するために、GCFの採取方法及びELISA用プレートの検討を行った。その結果、サンプル採取には操作性の点からペ-パ-ポイントを、ELISA用プレートはサンプルの吸着が良く、ブランク値が高くなりすぎないという点から住友ベ-クライト社のHプレートを用いることとした。 当初の計画では、GCF中のPase-C量と同時にペリオチェックを用いてサンプルのトリプシン様酵素活性を測定する予定であったが、サンプルを原液のままELISA法に用いる必要性が生じたことから酵素活性は測定できなかった。従って、最終的に採取した50検体についてPase-C量、Porphyromonas gingivalis量を、それぞれmAb-PC、P.gingivalisに対するポリクローナル抗体を用いて測定し、同時に調べたプロービング深さ、プロービング時の出血(BOP)と合わせて解析した。その結果、Pase-C検出量とP.gingivalis検出量の間に有意な相関は認められなかった。しかし、BOPが-のサンプルだけで解析したところ、両者の間に有意な相関が認められた。そこで、BOPの程度でサンプルを群分けし、各々のPase-C検出量、P.gingivalis検出量を調べた。その結果、Pase-C量はBOPの程度が進むに従い増加する傾向が認められたが、P.gingivalisの菌量には群間にそのような傾向を認めなかった。BOPはある程度炎症の活動度を反映するものと考えられることから、mAb-PCを用いて歯肉溝滲出液中のPase-C量を測定する方法が、歯周炎の診断・予後の予測に利用できる可能性が示唆された。
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