研究課題/領域番号 |
06557120
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
後藤 順一 東北大学, 薬学部, 教授 (80006337)
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研究分担者 |
丹羽 俊文 東北大学, 医療技術短大, 助教授 (90218248)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 酵素免疫測定法 / エレエクトロスプレーイオン化 / LC / MS / 11-デオキシコルチゾール / キャピラリー電気泳動 / モノクローナル抗体 / リゾチーム |
研究概要 |
今日、質量分析法(MS)の進歩、発展は目覚ましく、各種イオン化法を駆使することにより、分子量数百kDaの蛋白の分子量が精密に測定できるばかりか、アミノ酸配列をも決定することが可能となりつつある。しかし、蛋白-生理活性分子複合体の構造解析には、高度な有機化学的手法を必要とし、MSを合理的に取り入れた構造解析法は、見るべき成果に乏しい。そこで、ステロイドホルモンのモノクローナル抗体を取り上げ、MSによる抗原結合ドメインの高次構造解析法の構築を目的とし、以下の検討を行った。まず、副腎皮質ホルモン11-デオキシコーチゾール(11-DOC)を取り上げ、4位牛血清アルブミン複合体を感作抗原としてモノクローナル抗体を作成した。ついで、リゾチームをモデル蛋白とし、S-S結合の還元アルキル化反応に基礎的検討を加えるとともに、リゾチーム及び西洋ワサビペルオキシダーゼと11-DOCとの複合体を調整し、移動相に50%メタノールを用い、フローインジェクションモードでESI-マススペクトルを測定した。その結果、塩基性アミノ酸の数に応じた多価イオンが観測され、ハプテンは、期待通り酵素のリジン残基に結合していることが判明した。以上の結果、本法が、抗ハプテン抗体抗原結合ドメインの構造解析に有用なことが明らかとなった。現在さらに、抗体をパパインで切断し、得られるFabフラグメントのアミノ酸配列をcollisional activated dissociation並びにFAB-MSによる決定を試みており、アミジン化、グリシンアミド化などによるアミノ基、カルボキシル基、インドールの選択的修飾とキャピラリー電気泳動/大気圧イオン化とを組み合わせ、結合部位の高次構造の解析を検討している。
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