研究概要 |
1)平成6年度より開発を進めてきた中型ESR-CT装置が導入されたので,平成7年度においてはこの装置の基本性能試験と中動物でのESR実験を行い,更に研究分担者の藤井と共に本装置の改良を進めた。その結果,ラット,ウサギなどの中動物を用いた生体内フリーラジカル反応の解析に関しては十分実用的であり,実際にヒトの腕を用いた測定も可能であることが示された。しかし,感度の空間分布及び勾配磁場,掃引磁場の均一性に問題があることも判明した。この点については更に改良を勧める必要がある。 2)高感受性,低毒性のスピンプローブやスピントラップ剤を探索するために,炎症モデルラット,鉄過剰症マウス,肺障害マウスを作成し,種々のプローブを用いて生体内フリーラジカル反応を上記生体計測ESRで解析した。その結果,対象とする生理現象や疾患に依存して最適プローブが異なることが示された。 3)ESRシグナルの画像化システムを構築し,マウス,ラットでの時間分解イメージングを上記モデル動物を用いて得ることが出来た。 4)その他に,研究分担者により脳での記憶と生理機能の解析や一酸化窒素を効率良く捕捉できるスピントラップ剤の開発が行われた。 なお,本年度の研究を進めるうえで消耗品費が著しく増額したため,当初予定していた大動物用2チャンネル分光ユニットの購入は次年度別途購入に変更した。
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