研究課題/領域番号 |
06557125
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
長澤 滋治 北海道大学, 薬学部, 教授 (70029958)
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研究分担者 |
宮川 周士 大阪大学, 医学部, 助手 (90273648)
瀬谷 司 大阪府立成人病センター, 研究所, 主幹
西村 仁 北海道大学, 薬学部, 助手 (80241347)
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キーワード | 補体 / 制御因子 / 異種臓器移植 / 麻疹ウイルス / 活性部位 / 遺伝子工学 |
研究概要 |
Membrane Cofactor Protein (MCP)は、自己細胞を補体攻撃から保護する制御膜蛋白質であると同時に、麻疹ウイルスのレセプターでもある。本研究では、医薬への応用可能な低分子型MCPを設計するために、MCPの機能部位の解明を進めてきた。本年度は、以下の研究成果を挙げることが出来た。 1 : MCPは麻疹ウイルス感染に伴い発現数が減少する 麻疹ウイルスが宿主細胞に感染すると、MCPの発現数が減少することを見いだした。さらに遺伝子工学的な手法を駆使することにより、その発現数減少(ダウンレギュレーション)には、MCPの細胞内領域の膜に近い部位の配列が重要なことを明らかにした。 2 : MCPの膜貫通部位の機能 MCP-麻疹ウイルス複合体が宿主細胞の中へと取り込まれると、複数の感染細胞が凝集体を形成する。この凝集体の形成には、膜貫通部位が不可欠であることを、細胞工学的な手法により証明した。 3 :サルの麻疹ウイルス受容体もMCPである 麻疹ウイルスはヒト以外にもサルにも感染する。ワクチン用の麻疹ウイルス株はサルの細胞株(Vero)を用いて継代培養されているがその受容体の構造に関しては明らかでなかった。ヒトcDNAをプローブに用いて、Vero細胞からMCPをコードする遺伝子を分離し、その構造がヒトMCPと90%近い相同性を示すことを明らかにした。さらに、サルMCPを発現したハムスター細胞には、麻疹ウイルスが強く感染することも証明した。
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