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1996 年度 実績報告書

蛋白質分解反応を捕捉する新しい方法の開発と応用および一般化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06557131
研究機関(財)東京都臨床医学総合研究所

研究代表者

西道 隆臣  財団法人東京都臨床医学総合研究所, 遺伝情報研究部門, 研究員 (80205690)

研究分担者 柴田 昌夫  (株)医学生物学研究所, 医薬開発研究室, 室長
キーワードプロテアーゼ / プロテオリミス / カルパイン / フキドリン / 脳虚血 / ベータアミロイド / アルツハイマー病 / 老化
研究概要

初年度および昨年度に様々の蛋白質分解反応産物に対する抗ペプチド抗体を設計・調製することに成功したが、本年度はさらに、そのリストを増やす一方で、モノクローナル抗体の調整にも成功した。たとえば、アルツハイマー病βアミロイドペプチドの主要な蓄積型分子種はアミノ末端にピログルタミン酸を有するが、この分子種に対するモノクローナル抗体を樹立し、さらに、酵素免疫定量法を確立した。アルツハイマー病研究に寄与することが期待される。さらに、修飾型βアミロイドが脳の不溶画分のみならず、可溶画分に蓄積に先行して存在することを確認した。βアミロイド蓄積機構を理解する上で重要な知見であると考えられる。
また、本研究によって得られたβアミロイドの構造に関する知見に基づいて、脳内のβアミロイド代謝系の律速過程に関する予測を行った。すなわち、「脳内におけるβアミロイドペプチドの分解過程の律速をアミノペプチダーゼが担う。ある種のアミノペプチダーゼ活性の低下がアミロイド代謝の停留、ひいては、蓄積の促進を促す。」という仮説(「アミノペプチダーゼ仮説」)を提唱した。本仮説に基づいて、アルツハイマー病の生化学的マーカーを検索したところ、有望な候補を見いだした。将来、アルツハイマー病の予防法の開発へと発展する可能性が期待される。
この他、脳虚血によるプロテアーゼの作用の解析についても、本研究法をさらに応用し、カルパイン以外にCaspase(ICE様プロテアーゼ)の作用を感知する抗体を調整した。虚血性神経細胞死におけるプロテアーゼの作用についてより深い理解の得られることが、期待される。さらに、細胞接着蛋白質や細胞骨格蛋白質のカルパインによる限定分解の解析にも、本研究法を応用し、細胞接着とカルパイン活性化の関係が明らかになった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Inomata,M.他: "Involvemert of calpain in integrin-mediated signal transduction." Akch.Biochem.Biophys.328. 129-134 (1996)

  • [文献書誌] Yokota,M.他: "Cytotoxic fragment of amyloid preursor protein accumulates in hippocampus after global forebrain ischernia" J.Careb.Blood Flow Metahol.16. 1219-1223 (1996)

  • [文献書誌] Saido,T.C.他: "Amino-and Carboxyl-terminal heterogenaity of β-amyloid peptides deposited in human broin." Ncurosci Lett.215. 173-176 (1996)

  • [文献書誌] Leinere,cA.他: "The E280A presonilin I mutation Leads to a atistinot Alzheimers d : 4use phenotype : Increased Aβ42 deposition and sevore ceroballar pothology." Nature Mediicine. 2. 1146-1150 (1996)

  • [文献書誌] Kuda,T.他: "Reduction of plasrne glntamyl aminopepticlase activity in sporadic Alzheimers disease" Biochen.Biophys.Res.Commun.231. 526-530 (1997)

  • [文献書誌] Saido,T.C.: "Alzheimers discase as protcolytic disorters : prooluction and catabolism of β-amyloid" Neurobior.Aging. (印刷中). (1997)

  • [文献書誌] 西道隆臣・丸山敬: "アルツハイマー病の分子医学" 中外医学社, 114 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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