研究課題/領域番号 |
06557141
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
笹 征史 広島大学, 医学部, 教授 (20025654)
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研究分担者 |
山本 敏幸 東洋産業医用機器, 事業部, 研究員
氏原 久充 高知医科大学, 講師 (00213421)
芹川 忠夫 京都大学, 医学部, 教授 (30025655)
河野 静子 広島大学, 医学部, 助手 (30034028)
石原 熊寿 広島大学, 医学部, 講師 (20212912)
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キーワード | 自然発症てんかんラット / 強直性けいれん / 欠神様発作 / 発作自動記録 / 遺伝子解析 / カルシウムチャネル / カルシウム拮抗薬 |
研究概要 |
1.前年度の研究から自然発症てんかんラット(SER)の海馬CA3錘体ニューロンは苔状線維刺激によって脱分極シフトと活動電位の群発を生じ、これはカルシウムチャネルの異常(低閾値)によることが示唆されたことから、このことが発作に関連すること、さらにこのチャネルの抑制が発作を抑制するか否かを検討した。SER海馬スライス標本において、CA3ニューロンのカルシウム電位は正常ラットにおけるよりも少量のカルシウム拮抗薬(ニカルジピン)によって抑制された。単離したSER海馬ニューロンにおいてパッチクランプ法によりホールセル記録を行い、発作発現前のSERのカルシウム電流について検討したところ、この電流-電圧曲線は正常動物のそれと大差はなかったが、発作発現後のSERではカルシウムチャネルの開口閾値は低下していた。SER海馬ニューロンのカルシウム電流は正常動物におけるよりもニカルジピンによって強く抑制された。一方、SERの強直性および欠神様発作は新規カルシウムチャネル拮抗薬のS-312-dの単回および連続経口投与によって抑制された。2.ビデオカメラを使用し、発作時の動きをコンピューターにて判断し、それを録画するようにしたソフトウェアを開発し、24時間の発作自動記録を行うことが可能となった。3.SER(zi/zi, tm/tm)はチッター(zi)とトレモア(tm)両遺伝子を持ち、この両者が同時発現したときに発作が起こることから、両遺伝子の座を検索した。この結果、zi遺伝子は第3染色体q35の領域にあり、tm遺伝子は第10染色体q24の領域にあることが判明した。さらに、ジーンターゲッティングにより、zi遺伝子はIl1bとPrnp遺伝子との間3Mb以内に、tm遺伝子はSyb2遺伝子より1.4Mb以内に存在することが明かとなった。現在これらの単一遺伝子を同定する作業に入っている。
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