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1995 年度 実績報告書

ヒト気道液中に見出したトリプターゼの内科的疾患治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 06557142
研究機関徳島大学

研究代表者

安岡 劭  徳島大学, 医療技術短期大学部, 教授 (30035414)

研究分担者 山岡 一良  帝人(株), 生物工学研究所, 研究員
益田 賢一  帝人(株), 生物工学研究所, 研究員
キーワード気道トリプターゼ / 気道トリプターゼ遺伝子 / リコンビナント気道トリプターゼ / インフルエンザウイルス / 慢性気道疾患 / 喀痰
研究概要

1.遺伝子工学的研究:
1)慢性気道疾患患者の喀痰から単一までに精製したヒト気道トリプターゼ(HAT)のN末端のアミノ酸配列(20残基)をもつペプチドを合成し、これを基にDNAプローブを合成した。このプローブを用いてヒト気道由来DNAによりcDNAのクローニングに成功した。この遺伝子の塩基配列からHATのアミノ酸配列を推定した。その結果、HATには分子量約47,000の前駆体(HAT precursor)が存在することが予測された。この予測のもとにヒト気管組織抽出液を分析し、未処置の抽出液にはHAT活性が検出されず、一定の処理によりHAT活性が発現した。昨年度の成績と今年度の成績を総合し、気道粘膜下の漿液腺でHAT precurssorが合成され、これが気道粘膜に分泌される過程で活性化されると考えられた。
2)HATの遺伝子を用い、大腸菌によるrecombinant HATの合成に成功した。
2.インフルエンザウイルスに対する作用:
native HAT、recombinant HATの両者を用いインフルエンザウイルスの増殖(感染性)に対する影響をin vitroで検索した。その結果、文献に一致し膵トリプシンが本ウイルスの感染性を増強するのに対し、両HATともに本ウイルスの感染性を抑制した。この作用機構は未解決である。
3.recombinant HATに対する複数の抗体を作成し、これを用いるHATのELISAを考案した。本ELISAでヒトの気管支洗浄液と喀痰中のHAT量を測定した結果、多くの慢性気道疾患では気道からのHATの分泌は正常状態に比し亢進していると推定された。この過剰に分泌されたHATが慢性気道疾患の病態を増幅的に働いている可能性も予測された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 安岡 劭: "ヒト気道中に見出したトリプターゼ(HAT)の性質とウイルス増殖に対する影響" 日本内科学会雑誌. 臨時増刊号(第92回講演会抄録). 238 (1995)

  • [文献書誌] 安岡 劭: "ヒト喀痰から精製したトリプターゼのウイルス増殖に対する影響" 日本胸部疾患学会雑誌. 増刊号. 132 (1995)

  • [文献書誌] 中山 正: "ヒト気道液中に存在するトリプターゼ" 日本胸部疾患学会雑誌. 増刊号. 132 (1995)

  • [文献書誌] 小河原光正: "DPB患者の喀痰の分析、特にトリプターゼの分析" Therpeutic Reserch. (印刷中).

  • [文献書誌] 土橋純子: "ひと喀痰から分離した気道トリプターゼと肥満細胞トリプターゼの性質の比較" 徳島大学医療技術短期大学部紀要. 5. 59-65 (1995)

  • [文献書誌] 寺尾紀子: 徳島大学医療技術短期大学部紀要. 5. 99-107 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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