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1995 年度 実績報告書

Scidマウス移植ヒト皮膚片を用いた発がん予防・阻止薬検定系の開発

研究課題

研究課題/領域番号 06557144
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

山本 慧  慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (50138129)

研究分担者 浦野 浩司  (財)実験動物中央研究所, 研究員 (80213510)
上山 義人  東海大学, 医学部, 助教授 (30072408)
キーワード移植ヒト皮膚 / 化学発がん / 発がんの予防・阻止 / scidマウス
研究概要

従来、発がんに関する研究は全て動物実験に基づくもので、ヒトにおける発がんの本態は全く明らかにされていないと言ってもよい。個体としてのヒトを実験に用いられない以上、上記の諸問題を解決するにはヒトの組織を用いての発がん実験系の樹立が必須と考えられる。本研究の目的はT cell/B cell機能の欠損したscidマウスにヒトの皮膚を移植し、その移植皮膚片における発がん実験系を樹立し、更にそれを用いた発がん予防・阻止薬の検定系の開発を行う事にある。
本年度は、まず昨年度の実験でいずれも単独では腫瘍を形成しなかった4種類のがん原物質すなわち7,12-dimethylbenz[a]anthracene (DMBA:100nmol),benzo[a]pyrene (100nmol)、methylcholanthrene (1 μmol)及び1-methyl-3-nitro-1-nitrosoguanidine (1 μmol)を交互に1週間ごとにマウスに塗布し、更にそれに加えて週5日UV-B (12,480J/m^2/day)を照射し、マウスが衰弱あるいは死亡するまでこれらの処置を続けた。がん原物質を塗布し始めてから最長22週目までに全てのヒト皮膚移植scidマウスが衰弱あるいは死亡したが、ヒト皮膚での腫瘍形成は認められなかった。一方、マウスの背部皮膚では100%のマウスに腫瘍の形成が認められた。次にscidマウス移植ヒト皮膚において2段階発がんを試みた。まず100または300nmolのDMBA1回塗布によりイニシエ-トしたのちプロモーターとして10nmolの12-O-tetradecanoylphorbol-13-acetateを週2回塗布し続けたが、ヒト皮膚部分には腫瘍の形成は認められなかった。マウス皮膚部分にはパピローマの形成が認められた。これらの結果は2段階発がんもヒトの皮膚ではおこりにくいことを示している。現在皮膚角質バリアーを取り除いての発がん実験を進行中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Urano,K.et al.: "Failure of genotoxic carcinogens to produce tumors in human skin xenografts transplanted to SCID mice" Carcinogenesis. 16. 2223-2226 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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