研究課題/領域番号 |
06557145
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
犬伏 俊郎 滋賀医科大学, 分子神経生物学研究センター, 教授 (20213142)
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研究分担者 |
岡本 泰範 GE, 横河メディカルシステム(株)・技術部, 主任研究員
森川 茂廣 滋賀医科大学, 分子神経生物学研究センター, 助教授 (60220042)
半田 讓二 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60025583)
小玉 正智 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (50079836)
小澤 和惠 滋賀医科大学, 医学部, 副学長 (00026858)
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キーワード | 脳死 / グルコース代謝 / アラニン代謝 / 脳循環代謝 / 肝機能 / 緩和 / 多重共鳴NMR / 非侵襲的計測 |
研究概要 |
本年度は昨年度までに構築してきた人体用他核多重共鳴MR装置をさらに改良し、^<13>C NMR信号検出の高感度化を達成した。さらに、2テスラNMR装置を用いて実験的に作成した小動物の病態モデルにて体内における^<13>C-NMR標識移動の解析から新しい脳・肝代謝機能評価法を開発した。その結果は以下の様になる。 1.多重共鳴機能を付備した臨床用MR画像装置の改良 改良中の臨床画像用MR装置に他核RFチャンネルを2系統導入し既存装置の1系統と合わせて三重共鳴MR法が可能となった。さらに雑音除去のために種々のフィルターを追加し、^1H,^<31>P、^<13>Cを含む多くの核種の照射が可能になり、同種核、及び、他核種間でデカップリングや飽和移動の計測が実現した。 2.^1H-^<13>C間多量子遷移MR法の最適化 ^<13>C NMR信号の^1H核による間接的検出では多量子遷移を経由したスピン系が1量子状態で検出されるまでの過程で起きる緩和を考慮することにより、^<13>Cの情報を持つ信号の著しい増強が認められた。すなわち、多量子選択用磁場勾配パスルの波形と印加時間を最適化することにより信号強度がさらに増加し、理論値に近い増強効果が得られた。 3.^<31>P、^<13>C NMRによる肝代謝機能評価法の開発 ラット肝臓では、リン酸エネルギー代謝よりもグルコースの取り込みが肝機能を反映すること、そして、アラニンを基質とする肝臓でのgluconeogenesisとglycogenesisがアデノシン三リン酸のレベルに支配されていることが分かり、肝臓の代謝を解析する有用な手段として利用できる様になった。
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