研究課題/領域番号 |
06557146
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
谷口 直之 大阪大学, 医学部, 教授 (90002188)
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研究分担者 |
塚田 裕 エスアールエル, 八王子ラボラトリー, 副所長
近藤 宇史 長崎大学, 医学部, 教授 (00158908)
鈴木 敬一郎 大阪大学, 医学部, 助手 (70221322)
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キーワード | Mn-SOD / ARDS / 敗血症 / モノクローナル抗体 |
研究概要 |
血清中Mn-スーパーオキサイドディスムターゼ(Mn-SOD)の迅速定量法は従来計画していたグルコースオキシダーゼおよびルミノールを用いた化学発光系のみならず、ラテックスを用いた凝集反応による方法も開発に着手した。これは特異的な抗体を結合させたポリスチレン粒子が、血清中の抗原(Mn-SOD)と反応すると凝集することを利用するもので、感度は極めて鋭敏でかつ反応速度は迅速である。これは実際の臨床の現場では、正確な定量だけでなく、30分以内で超迅速にベッドサイドで行える半定量法を望む意見があるからで、このような超迅速定量にはラテックス法が有利である。また感度の点においてもラテックス法が優れていることがわかった。この定量法もほぼ実用化の見通しが立った。 またすでに敗血症および成人呼吸切迫症候群(ARDS)患者の血清の収集を開始しており、その数は数百例に達した。測定はすべて二重盲検で行っているが、一部結果の照合を行った。その結果、敗血症患者の中で、ARDSを併発した群では血清中Mn-SODがARDS非併発群に比し有意に高値であり、予知に有用であると考えられた。未だ少数例ではあるが、他のマーカー(乳酸脱水素酵素、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ、第8因子など)と比較検討してもMn-SODの有用性は高く、従来診断が困難であったARDSの予知、予防に有効であると思われた。今後は、症例数を増やすこと、臨床経過と比較検討し、診断基準の確立をめざす。
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