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1995 年度 実績報告書

高齢者のためのホームヘルスモニタリング:入浴時の健康管理機器の開発

研究課題

研究課題/領域番号 06557149
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

田村 俊世  東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助教授 (10142259)

研究分担者 斎藤 浩一  東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教務職員 (00205668)
戸川 達男  東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (40013859)
キーワード心電図 / 心拍数 / 入浴 / 脈波伝播時間 / 心拍ゆらぎ / 個人識別 / ウェイブレット交換 / ニューラルネットワーク
研究概要

高齢化社会に備え、検査される側、検査する側、両者にとって負担にならず、自動的に、測定が可能なシステムとして、入浴時の心電図、心拍数ならびに脈波伝搬速度を測定する装置を昨年度開発した。
今年度は、その装置を用いて健常成人による測定を試みた。心電図は、湯を介しての測定では、低周波領域の減衰が見られた。また、周波数特性は、湯の電気伝導度、浴槽のかたちにより変化した。心電図波形を用いての解析は、注意を要するが、心拍数測定は問題がないことが示され、狭心痛が出現する対象者に対しても入浴を行えた。入浴中の心拍数は、熱負荷と静水圧の影響により、個人差は見られるがすべての例で上昇した。パワースペクトル分析によると低周波領域のパワーが増加し、交感神経が亢進したことが示された。これは、対象者の主観とは一致しなかった。脈波伝搬時間の測定では、測定対象者に、センサに接触してもらわなければならなかったが、入浴とともに、一時増加し、徐々に減少した。脈波伝搬時間は、血管の弾性、血圧によるところが大きいが、血圧と逆相関があると云われており、伝搬時間は、血圧の上昇とともに減少する。ある特定の対象者に対しての長期間にわたる、日々の測定は有効であり、循環動態を知る上で有効であった。
在宅でのモニタリングを考えると、家族間での対象者の識別を考える必要がある。個人識別は、指紋、声紋、画像などがあげられるが、いずれも装置が大がかりとなり、在宅での使用は、困難である。そこで、測定する心電図波形に注目し、その波形からニューラルネットを用いて家族間のデータ識別を試みた。ニューラルネットに入力するデータ数を減少するためのデータ圧縮の方法としてウ-ブレット交換を用いた、一拍ごとの心電図波形を切り出し、ウェーブレット変換を施した結果、特徴抽出が可能となった。この波形をニューラルネットに代入して個人識別を試みた。2世代同居の5人家族のデータから5人を識別できた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 吉村拓巳,田村俊世,他: "入浴中の心拍変動と快適度" 医器材研報. 29(印刷中). (1996)

  • [文献書誌] 田村俊世,他: "入浴中の脈波伝搬時間と血圧" 医器材研報. 29(印刷中). (1996)

  • [文献書誌] 小川充洋,田村俊世,他: "離散ウェーブレット変換とニューニルネットワークを用いた浴槽内心電図の個人識別に関する研究" 第10回生体・生理シンポジウム論文集. 481-484 (1995)

  • [文献書誌] 依田美紀子,田村俊世,他: "浴槽利用の心電図計測による健康モニタリング評価と個人識別" 医用電子と生体工学. 33(Suppl). 139 (1995)

  • [文献書誌] 小川充洋,田村俊世,他: "浴槽内心電図信号を用いた個人識別" 医用電子と生体工学. 33(Suppl). 151 (1995)

  • [文献書誌] 田村俊世,他: "浴槽で利用した心電図在宅健康管理モニターの開発" 臨床モニター. 7(Suppl). 59 (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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