研究課題/領域番号 |
06558005
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 義春 東京大学, 大学院・教育学研究科, 講師 (60251427)
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研究分担者 |
丸山 渉 昭光通商株式会社, 課長
石井 均 ウェストロン株式会社, 課長
武藤 芳照 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (10143330)
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キーワード | 二酸化炭素生成量 / 安定同位体トレーサー連続測定 / 非定常運動 / エネルギー代謝 / 運動生理学 / ファジィ制御 |
研究概要 |
NaH^<13>CO_3をトレーサーとして静脈からinfusionし、呼気^<13>CO_<2/>^<12>CO_2を一定値にクランプするよう投与速度をフィードバック制御することにより、その時のinfusion量から逆にCO_2生成量を推定することが本研究の目的である。昨年度中に測定器の調整と、呼気^<13>CO_2/^<12>CO_2のクランプは一応達成されていたので、本年度は、個人差および各種の運動条件への対応をめざして、制御則の改善を行った。比例制御、比例制御+微分制御、フィードフォワード併用型比例制御のほかに、ファジイロジックに基づく制御を試みた。その結果、ファジイロジックに基づく比例+微分制御に加えて、呼気^<13>CO_2/^<12>CO_2の動態が同じであっても、NaH^<13>CO_3投与量の増加に伴い、投与量が異なるように累進ゲインを加えた制御則が比較的呼気^<13>CO_2/^<12>CO_2を一定値に維持する能力が良好であった。そこで、その制御則を用いて自転車駆動による漸増負荷運動時における呼気^<13>CO_2/^<12>CO_2のクランプを試みた。その結果、被検者によらず、5w/分での漸増負荷運動時を行った場合には、呼気^<13>CO_2/^<12>CO_2はほぼ一定値に維持された。すなわち、開発したシステムの最も重要な目的は達せられたことになる。ただし、負荷の変化率を増加させ、10w/分で試みた場合には、呼気^<13>CO_<2/>/^<12>CO_2は一定維持されない被験者も見られた。さらに、昨年度と同様、CO_2生成量とCO_2排出量は、必ずしも一致しておらず、CO_2生成量が安静時には過大評価される傾向にあった。この原因は、クランプ開始時点の呼気^<13>CO_2/^<12>CO_2が低いため、誤差の影響が相対的に大きいことがわかった。また、クランプ開始時点において^<13>Cの存在比が不均一の影響である可能性も考えられる。したがって、クランプ開始時点の呼気^<13>CO_2/^<12>CO_2を上昇させる、あるいは、制御間隔をあけることにより測定値のノイズを減少させるなどにより誤差を減少させる対策を現在講じている。
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