研究分担者 |
宇野 富夫 中村理科工業株式会社, 企画部, 部長
益子 典文 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助手 (10219321)
小倉 康 国立教育研究所, 科学教育センター, 研究員 (50224192)
能田 伸彦 筑波大学, 教育学系, 教授 (80020121)
下野 洋 国立教育研究所, 科学教育センター, 室長 (30142631)
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研究概要 |
研究最終年度にあたる本年度は,前年度に明らかになった次の2点について重点的に研究を遂行した。 1.物理・化学・生物・地学・数学の各科目における実験・観察の意義と教材開発 上記の各分野では,それぞれの科学観あるいは学習観などの哲学があり,実験・観察で一括りにすることは困難である。そこで,各分野における基本的な認識論の議論を通し,同異を明確化することを通して実験・観察の意義を明らかにした。地学における歴史学との類似性,化学における粒子概念などは各分野を支える基本的認識論として重要なことが明確化された。また,各分野ともに強調されるべきなのは,科学的活動の結果としての抽象的な世界を教授するのではなく,それぞれの分野の知識が児童・生徒にとって「身近にあること」,すなわち生活世界とのかかわりを重視した実験観察の重要性であることが明らかになった。生活世界と科学的世界との関係を重視した実験・観察教材の具体的な教材案が各分野より提案されたが,近年の科学哲学においても話題となっている点でもあり,統一的な見解については今後の課題となった。 教材データベースの実用化 データベース構築におけるインデックスの分類について作業を推進した。これまでの教材データベースは教科内容の構成に基づいて分類されてきているが,容易に検索できる一方,実践面の特徴が埋没している。そこで,第一階層の分類として,実験教材を進めていく際の児童・生徒の推論の質に注目した分類,第二階層として教材の開発におけるオリジナリティを表現するための「工夫点」とその工夫の効果による分類を提案した。
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