本研究は2年度にわたり実施する計画であり、本年度は、並列アルゴリズム・アニメーション・システムの調査及び設計、並列アルゴリズム・アニメーション・システムの作成、ならびに研究環境の整備を行う計画で着手した。 並列アルゴリズム実現に際して、適切な可視化ツールを用いることにより、大量のデータを伴うシステムの動的な振る舞いが理解しやすくなる。中でも、効率の良い並列プログラムの作成が特に困難なタスクスケジュール問題では、プロセッサの状態、発生している通信遅延、処理中のタスクとそのタスクに関する依存情報などの理解が容易になるため、可視化ツールの効果が大きいと期待される。この考えに基づいて、タスク依存グラフを用いてスケジューリングを支援するシステムの構成について検討した。具体的なシステムとして、タスク依存グラフをdag(D irected A syclic G raph)で表現し、それに基づいてタスクスケジューリングに関する諸情報、並びに、スケジュールのボルトネックとなる場所とその発生原因、またその解決方法を考える上で参考となる情報などを解りやすい形で提供し、それらを用いて対話しながらスケジューリングを行えるものを構築した(このシステムをDEPENDと名付けている)。 この様な研究を遂行するための環境整備として、ワークステーションを1台新設、稼働させた。ワークステーションとしてはUNIマシンを選び、研究室に既存のネットワークとそれに接続されている他のワークステーションと必要に応じて組み合わせて動作させてより一層研究効果を高めるよう考慮した。
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