研究概要 |
初年度にあたる本年度は、絵画の持つ美術性を反映し得るデータ構造やデータ属性の記述形式を分析し,データベースとして必要な情報を漏らさず蓄積できる形式を論理的に議論してきた。本年に始めた研究内容は,次の4項目に大別される。 1.データ構造 絵画の情報を,原画データ,配置データ,書誌データ,感性データに分類して,おのおのを異なるファイルに蓄積する。また,各ファイルには,共通の識別コードを付して,同一の絵画につながるデータであることを識別する。 2.データ属性 絵画は,情報としては複雑,多様で,瞹味である。これらをデータベースとして蓄積し,多数の人が共同利用可能にするために,データの複雑さ.多様さ.瞹味さをファジィ集合,ファジィ数,メンバーシップ関係などファジィネスの概念でまとめた。 3.感性情報の取り扱い 絵画には,美術作品に特有の感性情報が,重要な役割を果たす。感性情報を扱うにあたって,印象語をキーワードとするために,印象語のシソ-ラスを研究し,印象語間の関係を定量的に計測する実験方法の考案を試みた。 4.データベース管理システム 絵画データベースを構築するために,データベース管理のための汎用データベース管理システムを幾つか試験的に使ってみた。この体験は,次年度に着手するデータベース構築の基礎試料とする。
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