研究概要 |
本研究課題では,3ケ年の研究期間中,美術作品である絵画をデータベース化し,マルチメディア・データベースとしてインターネットを通して広く情報提供できるシステムの開発研究を行ってきた。その結果,中学校と高等学校の美術の教科書を題材にして,実用化可能な絵画データベースシステムが完成した。これにより得られた成果は,次の通りである。 1.関係型データベースモデルに基づいて,美術作品のデータベース化を実現するためのデータ構造を提案し,それらを計算機上に実装化した。 2.ファジィ集合論を用いて,多種多様であいまいな情報を持つ絵画データの情報検索技法を確立した。すなわち,感性情報や情景情報に基づいて,絵画検索が実現できるようになった。 3.インターネットに接続されているワークステーション上で美術作品データベースを構築,ネットワーク上でのデータベースシステムのサービスを開始した。これにより,インターネットを介して,遠隔地からのデータベース利用が可能となった。 本研究課題で開発した絵画データベースは,既存の美術館に所蔵している絵画の展示に利用できる。さらに,インターネットを活用した美術作品の展示会いわゆる「バーチャル・ミュージアム」,生徒が製作した作品のデータベース化,美術教材の管理などへの応用も可能である。これにより,静止画を含む美術教材データベースの教育的利用が可能となり,マルチメディア社会にふさわしい学習教材をネットワーク上で活用できる環境が整備された。
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