研究課題/領域番号 |
06558032
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
中西 一弘 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (50030333)
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研究分担者 |
田中 俊弥 大阪教育大学, 教育学部, 講師 (40252746)
余郷 裕次 鳴門教育大学, 教育学部, 助教授 (90191535)
石塚 雄康 玉川大学, 文学部, 教授 (50129946)
高橋 俊三 群馬大学, 教育学部, 教授 (10216723)
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キーワード | 重点領域研究『日本語音声』 / 自然なイントネーション / 音読指導 / 実地指導 / 聞き手に伝わる音読 / 基本的な指導過程 / 実効性のある指導 / 話しことばの指導 |
研究概要 |
本年度も、昨年度に引き続き、重点領域研究『日本語音声』の研究成果「自然なイントネーション」(東京放送班)をベースにした音読の実地指導をおこなった。とりわけ本年度は、その基本的な指導方式の有効性を検証するために、生活語の語アクセントおよびその抑揚が対照的な二地点(八戸市と人吉市)にまで調査範囲を拡大した。その結果、自然なイントネーションにもとづく意識的な音読指導は、学習者の音読を本文の意味内容に即した<聞き手に伝わる音読>へと変容させる点において有効であることが確かめられた。また、生活語のいかんにかかわらず、以下に示す基本的な指導過程が一般性をもちうるのではないかと判断された。 (1)語句のまとまりを理解させた上で一文のまとまりに気づかせ、それを自然なイントネーションで音読させる。 (2)動作化させたり、絵にさせたりすることによって、その場面や叙述内容をいきいきと想起させ、文脈のつらなりや段落のまとまりに忠実な音読をおこなわせる。 (3)相手に伝わる音読は、自然なイントネーションにもとづく音読であることに気づかせる。 そして、その指導の際には、1)読点にとらわれることなく、その意味内容を考えて音読させること、2)述部から順に繰り上げて音読させ、一文のまとまりを自然なイントネーションのなかで把握させること、3)本文のテクストを一文ごとに書き直させて、本文の意味内容に即した音読をさせること、4)「この」「その」などの指示語の重要性を理解させ、文脈の展開に即した音読を意識させること、5)日常の話しことばの指導に培う音読指導をこころがけ、音読することの楽しさやおもしろさを実感させることといった以上の点が重要であり、そうした点に留意した指導が実効性のある指導につながるものとしてその有効性がさらに検証された。
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