研究分担者 |
村上 和彰 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (10200263)
佐藤 政生 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (30170781)
小野寺 英俊 京都大学, 工学部, 助教授 (80160927)
山崎 勝弘 立命館大学, 理工学部, 教授 (70134260)
末吉 敏則 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (00117136)
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研究概要 |
本研究は,今後ますます重要となる情報科学教育の基盤となる教育カリキュラムを確立することを目指しており,ハードウェアの教育のみならず,コンパイラやオペレーティングシステムのような基本ソフトウェアの教育,周辺機器を接続した計算機システムの構成の教育など総合的な情報科学教育のための教材となる教育用マイクロプロセッサシステムを構築することを目的としている. 本年度の主な研究開発成果は以下のとおりである. 1)教育用32ビットRISCマイクロプロセッサの試作機QP-DLXを九州大学を中心に開発した.このQP-DLXを搭載した教材ボードの試作版を完成し動作試験を行ない,教材ボードの最終設計を進めている.QP-DLXはスタンダードセルLSIで設計されており量産向きであり,ハードウェア記述言語による記述,論理回路,レイアウト,テストパターンなどすべての設計データが種々のレベルの教育に利用できる.また基本ソフトウエア(モニタおよびアセンブラ)から成る教材キットの開発も進めている. 2)九州工業大学においては,QP-DLXと同規模の教育用32ビットRISCマイクロプロセッサおよび教材ボードの試作版をFPGAを用いて開発し,動作確認を行なった.FPGAを用いて開発した教育用マイクロプロセッサは「柔らかい完成品」であり,その論理回路自体を教育現場で書き換えることが可能である.すなわち,本FPGAを搭載した教材ボードおよびFPGA開発CADソフトウエアを用いることで,マイクロプロセッサの開発が教育現場で実施可能となる. 3)研究集会においては,本研究に参加している各教育機関における実験カリキュラムの実情について現状を報告し,本研究で開発する教育用マイクロプロセッサを用いた新たな実験カリキュラムについての議論を行ない,有用な知見が得られた.
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