研究概要 |
本年度の研究目標は,石田亨(京都大学)と西田豊明(奈良先端科学技術大学院大学)が,それぞれ,組織計算と,知識共有に関して基礎的な研究を行うことであった. 組織計算に関する研究実績は次のようである.組織計算に関する研究では,代理人エージェント群による人間社会の支援(Bridging Humans via Agent Network)を目指し,その第一歩となる研究成果を得た.具体的には,代理人エージェント間の相互選択プロトコル設計支援システムの初期バ-ジョンを完成させ,これを用いて,無契約型プロトコルに基づく会合支援システムを実現した.この会合支援システムは,従来の研究のように会合参加者の共通する明き時間を予約するだけのものでなく,参加者の会議参加への意思までも反映した柔軟な会合支援を実現する. 知識共有に関する研究実績は次のようである.まず、述語論理とフレーム型知識表現言語を基本に,画像とテキスト情報を含む知識メディアを格納するための拡張を試みた.次に,オントロジーによるエージェント間の知識共有と仲介方式の設計を行ないプロトタイプを試作した.さらに,知識ベースシステム構築用ツール,アプリケーションインタフェース,エージェント群の定義・実行・モニタリング・評価のためのツールの仕様の基本設計を行ない,プロトタイプを試作した.また,エージェント開発における協同作業を支援する機能に関する考案を行なった.
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