研究課題/領域番号 |
06558049
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
福田 晃 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (80165282)
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研究分担者 |
村上 和彰 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 講師 (10200263)
最所 圭三 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (50170486)
吉田 紀彦 九州大学, 工学部, 助教授 (00182775)
高木 利久 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30110836)
荒木 啓二郎 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (40117057)
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キーワード | システム・ソフトウェア / 高度情報処理 / メモリ管理アーキテクチャ / 2レベルスケジューリング / メッセージプール / 並列化コンパイラ / ユーザレベル・スレッド・ライブラリ / シミュレーション |
研究概要 |
本研究の目的は、高度情報処理のための柔構造を有する統合型システム・ソフトウェアを研究・開発し、高度並列処理を推進することにある。本年度においては、以下の成果が得られた。 (1)メモリ管理アーキテクチャを考慮したスケジューリング方式の提案および評価:1つのプロセスに対して複数のプロセッサを1グループとして大域的に割当て、グループ内でのスケジューリングを局所的行なう2レベルのスケジューリング方式をすでに提案しているが、それにメモリ階層を考慮に入れた方式を提案した。本方式においては、コンパイラは、大域的に割当てを行なう際の割当てるプロセッサ数や、ハードウェア・アーキテクチャに依存した割当て方をOSに指示する。OSは、計算機の状況とコンパイラからの指示に基づき、メモリのキャッシングを考慮してスケジューリングを行なう。シミュレーションによって本方式の有効性を確かめた。 (2)基本システム・ソフトウェアの開発:現在メッセージプールを用いて内部の処理をも並列に行なうOSの開発を行なっている。基本的な機能は完成しており、現在、処理効率を向上させるためのチューニングを行なっている。また、並列化コンパイラのために、データ分割グラフを用いて並列性を抽出するアルゴリズム等を開発した。 (3)並列性と移植性を兼ね備えたユーザレベル・スレッド・ライブラリPPL(Parallel Pthread Library)の開発:開発する並列プログラミング・システムを実際に並列に動作させたり、多くのシステムに移植できるようにするためのユーザレベル・スレッド・ライブラリである。現在、SunIPX,OMRON LUNA88K,SGI CHALLENGEで稼働している。 本年度は、本研究を遂行するための基礎的研究を主に行なったために、計画に挙げていた高度並列プログラミングシステムの開発や応用プログラムの開発までは至らなかったが、基礎的研究を通じてその実現性への足固めを行なうことができた。
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