研究概要 |
1.研究計画の策定および基本方針の検討 研究の全体の流れ,研究野分担,実施期間などの基礎的な研究計画を策定した。 降下火砕物および火砕流の数値シミュレーションをどのように実施し,何をどのようなアルゴリズムで求めて行くかなどの基本方針を全員で検討し,被害の事前評価に関してもどのような変数をどのような様式で表現すると防災上最も有効であるかを検討した.その結果,降下火砕物のシミュレーションには鈴木健夫の方法,溶岩流および火砕流のシミュレーションにはビンガム流体の重力流のアルゴリズムを使用することとした。 2.数値シミュレーションのプログラミング及び実行 それぞれの現象へ固有の物理パラメータを設定した.溶岩流には初期温度1,050℃,粘性係数7x10^5ポアズを与えた,降下火砕物には浅間火山天明・天仁の噴火噴出物に類似した値を与え,粒度分布は鈴木の値い依った.火砕流の粘性係数および降伏強度は宝田(1994)によって求められた,雲仙普賢岳および北海道駒ケ岳の火砕流の値を使った.数値シミュレーションを実行し,経時別範囲(面積),厚さ,粒径等値線などを出力した. 3.データの整理 降下火砕物の行動を予測するための噴煙柱,粒度分布,噴出率など,火砕流の流動を予測するための混相流の運動特性や粒度分布などについて,重要な火山学的データを文献や実地調査によって収集し整理した.また過去の火山噴出物と諸施設・農地などの被害事例文献を実地調査によって収集し整理した。 5.数値情報の収集と評価 ランドサット画像を購入し,国土数値情報,土地利用データを入手した.これらのデータのフォーマットを揃え,来年度の総合作業への準備を行なった。
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