研究概要 |
平成6年度は,主として振動台実験と数値シミュレーション・システムの開発を行った. 振動台実験は,屋内収容物のロッキング,滑動,転倒などの地震時挙動を実験的に把握するためのもので,試験体としては木製ブロックを用いた.ブロックの,大きさ,高さ-幅比(B/H),底面摩擦などを変えたものの他,数個のブロックの組合せや壁体模型の設置などの複雑な条件下でも行った.振動台の入力動としては,水平1成分のみ,および水平1成分+鉛直成分の2ケースを考え,それぞれ正弦波と実地震波について行った.実験結果より,水平1成分に加震しても,試験体が回転するなどの応答が観察された. 数値シミュレーションは,現有の2次元任意多角形要素の個別要素法(DEM)プログラムに結合要素を導入し,耐震補強や家具の接合などを表現できるよう拡張した.このプログラムを用いて,ブロック単体の実験結果との照合によってパラメータを決定したのち,ブロックの複雑な組合せ条件下や,実物家具の実験のシミュレーションを行い精度を検証した. さらに,結合要素を含む直方体要素の3次元DEMプログラムの開発に着手した.
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