研究概要 |
今年度は,個別要素法(DEM)を用いた転倒挙動シミュレータの開発を継続し,システム開発と精度の検証を終えた.このプログラムを用いて,剛体ブロックや入力地震動のさまざまな組み合わせについて,数値シミュレーションを行い,単体ブロックの転倒条件を求めようとしている. また,兵庫県南部地震による家具等の転倒状況について,さまざまな調査結果を収集し,観測された地震動強さとの関係について分析を開始した. つぎに東京地域の地震危険度を考慮して,数通り程度の地震動を設定した.この地震動を木造住宅,中層アパート,高層マンションなどの振動モデルに入力し,各階レベルでの床応答を算出するプログラムを開発した.この床応答の時刻歴加速度を用いて,各階の屋内収容物の挙動を,開発した転倒シミュレータにより解析している. 以上のように,今年度もさまざまな検討を遂行している.研究全体の進捗状況は,昨年1月に発生した兵庫県南部地震の影響でやや遅れ気味であるが,最終年度までには,所定の研究目標を終了できる見込みである。
|