研究課題/領域番号 |
06558056
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
土岐 憲三 京都大学, 工学部, 教授 (10027229)
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研究分担者 |
澤田 純男 京都大学, 工学部, 助手 (70187293)
佐藤 忠信 京都大学, 防災研究所, 教授 (00027294)
家村 浩和 京都大学, 工学部, 教授 (10026362)
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キーワード | 震動制御 / ニューラルネット / バリアブルダンパー / アダプティブコントロール / 自己学習機能 |
研究概要 |
構造物を構成する部材や要素の中に計算機で制御可能な構造要素を配置し、地震の継続時間中に構造物の剛性と減衰特性を時々刻々変化させて、構造物全体を地震動に抵抗できるようにする制震構造物が最近注目を浴びるようになってきている。こうした制御系の設計は、(a)構造系の動特性の同定過程と、(b)それに基づいた最適制御過程に分けて行われ、いずれも詳細なモデル化が必要になる。モデル化の正否の検証には実物大の構造モデルと制御装置を作成して実験を行わなければならず、膨大な費用を必要とする。そこで自己学習アルゴリズムを利用することにより、構造系の震動応答の観測値を利用して構造系の動特性のみならず制御装置に組み込まれている制御則を、時々刻々と修正しながら最適な震動制御を実行する装置を開発した。この学習機能を内蔵した制御装置は自主的に構造系のモデル化を行うので、構造物へ入力する地震外力のレベルが高くなり、構造系が非弾性応答をするような場合でも最適な制御力が設定できる。モデル化された構造系の動特性を同定するには各種の手法があるが、いずれも逐次計算型のアルゴリズムを利用したものであるが、構造系の自由度が高くなると計算時間が幾何級数的に増大し、実時間の震動制御に利用することは不可能になる。ここでは、自己学習アルゴリズムを利用することにより並列処理の可能な同定手法を開発しこの問題点を克服した。また、入力地震動の観測値を用いて、その特性も自動的に学習させ、制御力に入力の影響を考慮できるようにしている。本年度の主な成果として,システムシミュレーターを開発した.これを用いることにより構造部材実験をリアルタイムで模擬することが可能となり,計算機環境だけでハイブリッド実験が可能となった.
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