研究概要 |
平成6年度において,現有の観測カプセル対して,回収用プロペラ駆動部をカプセルに直接取り付け,プロペラのラジオコントロールをバケット通信とモーターのスイッチング操作によらない,ホビー用ラジコンユニットアンプを利用したアナログ的なものに改造したが,これを試用する河川区間を研究代表者の所属機関の付近に設定するために,一級河川木曽川において野外調査を実施し,木曽川祖父江地先を候補地点とした。 ついで,無線によるデータのリアルタイム収録に関して,PCM多重無線による移動体テレ-メータを試用しようとしたが,時間的な制約のため,新たに設定した試用区間に対して,無線使用の許可を受けることができなかったので,今年度は見送らざるを得なかった。そこで,収録特定小電力無線を利用したリアルタイムデータ通信システムの採用について検討したが,継続通信時間の制限など,電波法上の制約が強く,現時点ではラジオコントロールには適用可能であるが,データ通信への応用が困難であるとの結論となった。 一方,河床高等の計測手段については,河床と水温の測定にシリアル通信機能を持ったレジャー用魚群探知機を導入し,マイコンによるその制御とデータ収録の検討並びに収録プログラムのテストランを行い,十分な精度で測定可能であることが判った。しかしながら,プライス型流速計の翼車を利用した新しい流速測定装置については,廉価な周波数変換機器を見出すことができなかったために導入することができなかった。 今年度は,とくにカプセルの位置検出のために簡易型GPS受信装置とノートパソコンの導入に力点を置いたが,廉価なGPS受信装置であっても,ディファレンシャル型の利用をすれば,単独使用の10倍以上の精度を期待できることが判った。
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