研究概要 |
本研究では,周波数可変・中出力・サブミリ波ジャイロトロン(波長2.5mm〜353μm,出力0.5-10kW,長パルス動作100ms)を整備して,これを光源とするサブミリ波散乱計測装置を完成し,実際にプラズマ発生装置(核融合科学研究所のCHS装置)に設置して散乱計測を行い,波動加熱効率向上の資料及びプラズマの安定性に対する資料を提供することを目的とする。 1)ジャイロトロン出力を光源とするプラズマ散乱計測 福井大学のGYROTRON FU IIを光源とするサブミリ波散乱計測装置を製作し,核融合科学研究所のCHS装置に設置して,プラズマ中に自然励起されるドリフト波の測定を行い,その検出に成功した。ドリフト波はプラズマ閉じ込めに悪影響を与える波動であるので,その制御が必要であり,本測定はそのための情報を得るために必要である。 これと並行して以下の研究を行なった 2)高出力遠赤外レーザーの開発とプラズマ計測への応用 核融合科学研究所では,cw-CO_2レーザーを励起源とする高出力遠赤外レーザーの開発を行い,ジャイロトロンと相補的役割を担う遠赤外光源を開発した。波長118.8μmにおいて,出力0.62Wの好結果を得た。動作がcwであること,出力振幅及び周波数の高安定性,等ジャイロトロンにない特長を備えている。 このレーザーをプラズマ計測のための光源として応用するため,遠赤外レーザー干渉計のデザインを行った。 3)ジャイロトロン出力を光源とするミリ波ESR 福井大学で開発したGYROTRON FU Iを光源とする広帯域ミリ波ESR装置を完成し周波数範囲65〜135GHzを覆うことに成功した。この装置を用いて,1)DPPHの単結晶試料と粉末試料のESRの共鳴線幅の相違について,実験的研究を行い,2)ルビーのESRの角度依存性の実験結果から,構造定数Dの検討を行った。
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