研究課題/領域番号 |
06558065
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
藤田 寛治 佐賀大学, 理工学部, 教授 (10038086)
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研究分担者 |
生島 貴之 三菱電気(株), 装置技術部ウエハ装置技術課
大津 康徳 佐賀大学, 理工学部, 助手 (50233169)
栃谷 元 佐賀大学, 理工学部, 講師 (00264143)
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キーワード | 大面積プラズマ / 高密度プラズマ / 均一密度プラズマ / 円環スロットアンテナ / リング状永久磁石 / 負イオン |
研究概要 |
半導体素子の生産性の向上や、次世代のULSI製作において必要とされる高密度かつ大口径な低気圧プラズマを均一に発生させるために、円環スロットアンテナとリング状永久磁石を使用した新しいプラズマ発生方法の開発を試みた。平成6年度ではアルゴンガスを使用してプラズマ発生法の確立、およびプラズマ諸量の観測を行い、開発中の装置が大口径プラズマの発生に有用であることを示した。平成7年度では実際のエッチングに使用されるSF_6ガスを用いて実験を行い、以下のことを明らかにした。 1.シリコン基板を用い、0.6mTorr〜2.2mTorrの圧力範囲におけるエッチングレートの空間分布の観測を行った結果、マイクロ波注入電力200W、ガス圧力1.4mTorrの条件で、円環スロットアンテナからの距離14cmの位置において直径26cmの範囲で約160nm/nim±2.5%の均一なエッチングが実現できることが明らかになった。 2.基板設置台に負の直流バイアス電圧を印加することによりエッチングレートの向上を試みた結果、-150Vのバイアスにより約400nm/minのエッチングレートが得られた。またバイアス電圧を印加してもエッチングレートの均一性は維持されていたことから、本研究で開発した装置は実際のプロセスに十分に適用できると考えられる。 3.SF_6プラズマのプラズマ諸量の空間分布を測定し、1および2で得られたエッチングレートの空間分布と比較検討を行った結果、荷電粒子の空間構造はエッチングレートの空間構造と余り相関がないことが明らかになった。またエッチング基板断面のSEM写真から、本装置内で行われているエッチングは等法的であることも示されていることから、発生したSF_6プラズマ中には多くのラジカル種が存在していることが推察される。 平成6年度からの開発研究において、本研究で提案した原理に基づく大口径プラズマ装置のスケールアップは、円環スロットアンテナの大きさとリング状永久磁石の位置を最適化することにより容易に実現された。この事実は、今後より一層のスケールアップの要求に対しても本装置が対応可能であることを示唆していると思われる。
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