研究課題/領域番号 |
06558067
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
玉浦 裕 東京工業大学, 炭素循環素材研究センター, 教授 (00108185)
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研究分担者 |
吉田 崇 東京工業大学, 理学部, 助手 (50251608)
近藤 和生 同志社大学, 工学部, 教授 (30038096)
阿部 正紀 東京工業大学, 工学部, 教授 (70016624)
辻 正道 東京工業大学, 炭素循環素材研究センター, 助教授 (20111643)
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キーワード | ケミカルヒートポンプ / 熱交換器 / 水素発生 / 熱 / 化学エネルギー変換 / 酸素分圧 / 炭素循環 / メタン化反応 / 廃熱 |
研究概要 |
(1)ケミカルヒートポンプシステム実験装置の試作運転: 熱交換器、水素発生反応セル、酵素発生反応セル、熱測定装置等を組み合わせて試作し、水素発生量と酸素発生過程での吸熱測定量との関係から熱/水素エネルギー変換効率を見積もった結果、変換効率は0.7%であったが、熱/水素エネルギー変換システムの作動を確認できた。 (2)廃熱利用型炭素循環システムの試作運転: メタン化の反応システムを組立て、ケミカルヒートポンプシステム実験装置とカップルさせ、廃熱利用型炭素環境システム実験装置とした。 (3)熱/化学エネルギー変換効率改善 試作機の熱変換効率を高めるため、酸素発生過程を低酸素分圧過程と高酸素分圧過程とに分離し、低酸素過程での熱吸収を増幅させる機構を原理として考案し、シュミレーション的検証に着手した。 以上、当初2年間にわたって行う予定の計画をほぼ1年間で実施し、試験機を作成するとともに研究の第一目的とした熱/化学エネルギー変換の理論を試作機により実証することに成功した。水の分解による水素発生過程と酸化物から酸素を除去する過程とからなる新しい熱/化学エネルギー変換システムが実際に作動することの確認が得られ、熱/化学エネルギー変換システムが理論的段階から応用段階へと一歩前進し、実用化への展開が見いだされたことは評価される。今後は熱変換効率の向上が課題である。酸素発生過程の吸収熱量を測定するため、酵素発生過程をさらに二つのプロセス(低酸素分圧過程と高酸素分圧過程)とに分離することにより、低酸素分圧下での酸化物の活性化における低熱吸収効率を飛躍的に改善できる可能性がい見だされた。
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