研究課題/領域番号 |
06558074
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
山口 作太郎 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (10249964)
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研究分担者 |
田島 輝彦 核融合科学研究所, 研究企画情報センター, 助教授 (90135385)
渡邉 国彦 核融合科学研究所, 計算機センター, 教授 (40220876)
小森 彰夫 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (50143011)
相良 明男 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (20187058)
本島 修 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 主幹教授 (60109056)
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キーワード | 熱電効果 / 直接発電 / ネルンスト効果 / 半導体 / 形状効果 / 温度勾配 / 熱磁気効果 / インジコムアンチモン |
研究概要 |
直接発電システムの可能性を持つネルンスト素子の基礎研究を行ってきた。この研究の発端は、1993年に山口が半導体の単一キャリアーモデルを用いて、ネルンスト効果を利用したエネルギー変換効率を検討し、その値が極めて高くなる可能性を理論的に指摘したことに始まる。この提案では、磁場中で熱勾配のある系での半導体の輸送係数を用いて性能示数を求め効率の良い材料選びを行う。しかし、輸送係数の測定は1960年代に行われているが、我々の想定している半導体の動作環境はさらに強磁場かつ高温であり、過去に測定されていない領域である。この環境での輸送係数の測定法の確立のために、第一歩として報告者達は 常温付近での強磁場中での温度勾配のある系の輸送係数を測定するシステムを構築し、InSbのネルンスト係数,熱電能、ホール係数、電気抵抗率を測定した。なお、InSbをネルンスト素子の候補の一つとして考えたのは、電子の移動度が非常に大きいためネルンスト効果が顕著になると考えたからである。InSbは赤外線の計測用に用いられるが、このようにネルンスト効果を使った応用上の利用の試みは今までにない。本研究で得られたデータと直接比較できる過去のデータはないが、よく似た実験条件の過去のデータを見ると、ネルンスト係数について定性的に異なった振る舞いをしていることがわかった。その原因の考察から、測定する試料の形状が重要な鍵を握ることを報告者達は着目した。過去の文献には試料の形状が書かれてなく、形状効果は考慮されていない。従来行われてきた半導体の輸送係数の測定は、理論で解析的に形状を扱える例を除き、輸送現象を記述するボルツマン方程式から得られる理論値と実験から得られる物理量との比較を行うには、試料の形状を考慮した解析が行われていないのが現状である。現在形状の異なる試料を準備し、その形状効果を測定を始めようとしている。
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