研究課題/領域番号 |
06558084
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
浦野 紘平 横浜国立大学, 工学部, 教授 (60018009)
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研究分担者 |
津田 信吾 神奈川県秦野市, 環境部, 係長
伏脇 裕一 神奈川県環境科学センター, 主任研究員
藤江 幸一 豊橋技術科学大学, エコロジー工学系, 教授 (30134836)
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キーワード | 有機塩素化合物 / トリクロロエチレン / 土壌汚染 / 土壌浄化 / 真空抽出 / 活性炭吸着 / 排ガス処理 |
研究概要 |
全国で深刻な土壌汚染が明らかになってきているトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタンを中心に、真空抽出法による浄化の基礎デ-ダとして、汚染土壌と水および空気との間の平衡関係を調べたところ、従来の単純な固-液、液-気の平衡関係とは一致せず、固-液-気が相互に影響していることが明らかになった。このことは、土壌中の水が単に自由水であるだけでなく、化学吸着水や結晶水として存在していること、汚染物質が土壌を構成する粘土鉱物の結晶層間に入っていたり、土壌に含まれる有機質と錯体を形成していることなどによると推定された。 また、土壌から気化させた汚染ガスを活性炭で吸着濃縮する方法の基礎データとして、上記の有機塩素化合物の蒸気について、活性炭に対する吸着特性を調べたところ、単成分の吸着平衡関係は、いずれの活性炭でもDubinin-Polanyi式で表示されるが、実際の排ガスでは、共存する水蒸気によって有機塩素化合物の吸着容量が減少し、その影響は相対湿度が70%を超えると急に大きくなること、有機物蒸気濃度が低いほど大きくなることなどが明らかになった。また、吸着速度は、活性炭粒径の小さいときには気相側の拡散律速となり、通気抵抗が大きくなるので、適切な粒径の選定が重要であることが明らかになった。 以上の成果は、実際の土壌浄化およびそれに伴って排出される排ガスの浄化のための装置設計とその運転管理に役立つものである。
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