研究分担者 |
藤田 和光 シンセイ化工(株), 環境技術部, 主任研究員
青木 達 京都大学, 放射性同位元素総合センター, 助手 (70027051)
斉藤 和実 京都大学, 放射性同位元素総合センター, 助教授 (40027602)
倉橋 和義 京都大学, 放射性同位元素総合センター, 助教授 (10025653)
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研究概要 |
動物等固体のアイソトープ含有廃棄物を乾留するための装置の試作と、それを用いた固体廃棄物理の試験を行い、下記のような成果を得た。 (1)温度勾配制御装置を備えた乾留炉を試作し、この際、乾留炉内温度を均一に保つのに必要な構造を採用することができた。(2)乾留により生成する揮散する画分すなわち排ガスを凝縮して捕集するための冷却能力を強化し、装置出口における排ガス温度を50℃以下に保ち得る排ガス捕集装置と、適当な溶媒でその内壁を洗浄するための噴霧ノズルを配備した。(3)改良型乾留装置を用い、アイソトープ含有動物性廃棄物を処理し、残渣、排気、乾留炉本体の内面等にあるアイソトープを測定し、それぞれのアイソトープ回収率をほぼ100%とすることに成功した。すなわち、動物性廃棄物については、減容率、減量率を良好に保てるような乾留条件で、^3H,^<14>C,^<33>P,^<36>S,^<45>Ca,^<51>Cr,^<125>Iのすべてについてその分布を確認し、また100%回収する方法を確立した。ただし^<14>Cのみは排気へ放出される部分が多く(乾留温度によって異なるが、60-80%)、この画分を捕集することは実際的でないと判断している。(4)動物性廃棄物以外の固体廃棄物についても、可燃性の紙等については、動物の場合と同様、減容率、アイソトープ回収率とも良好であった。(5)プラスチック等についても、ほぼ同様であるが、^<36>S標識化合物含有サンプルについては、いずれの場合も、排気へは出ず、装置内配管中にとどまる成分が相当に存在することがわかった。
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